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2021年4月1日

広域大気研究室

NEWS

研究テーマ

アジアにおける広域越境大気汚染を対象に、地上およびリモートセンシング観測や室内実験など様々な手法を用いて研究を進めます。また、自動車による地球温暖化や大気汚染への対策、高齢化や災害時に対応した移動手段に関する研究も進めています。

研究課題

◼︎オゾンおよび有機エアロゾルなど二次汚染物質の生成機構解明

オゾンやPM2.5の低減を目的として国内や近隣諸国ではVOCおよびNOxの規制が実施されています。しかし、東アジア地域ではオゾン濃度の高止まりが続いています。大気光化学チャンバーを用いて、大気中で起こる人為及び生物起源VOCの光酸化反応を実験室で再現し、反応によって生成するガス及び粒子状の生成物を化学分析しています。実験の結果を、大気モデリング研究室による詳細化学反応モデルの計算結果と比較することにより、汚染物質の生成に関わる反応機構を明らかにしています。反応機構を明らかにすることによって、汚染物質の低減につなげたいと考えています。さらに、制御された条件で実施される反応実験を利用することによって、新たな大気計測装置の性能を評価しています。現在は、京都大学で開発されたHOx反応性測定装置や、大阪府立大学で開発されたポータブルオゾン生成レジーム判定装置の評価を実施しています。

◼︎越境大気汚染と都市大気汚染の影響評価

PM2.5などによる大気汚染の問題を解決するためには、越境および国内大気汚染の寄与を明らかにすることが重要です。本研究室では、越境大気汚染の影響を受けやすい九州北部(福江島大気環境観測施設福岡大学)においてPM化学組成の観測を行い、PMがどこから放出されどのような過程を経て大気質に寄与しているかを推定しています。また、環境リスク・健康領域、九州大学、京都大学、金沢大学の研究グループと共に、PMが人間の健康へおよぼす影響の評価を行っています。

◼︎黄砂・大気汚染粒子観測のためのライダーネットワーク活用

レーザー光を利用して上空の黄砂や大気汚染粒子の分布を連続計測するライダーネットワークのデータを黄砂予測モデルの改良に活用したり、気候変動に伴って黄砂の発生や輸送がどのように変動するかを明らかにするための研究を行っています。

   

◼︎脱炭素、高齢化、災害等への対応を目的とした新しい端末移動手段の開発

乗用車利用者が、自ら進んで公共交通機関を利用したくなるような環境の実現を目指して、新しい端末移動手段(極小モビリティ)開発とそれを基盤とした現行の社会システムを活用した普及方策について研究を行っています。一方、高齢化社会の先端を走る日本では、高齢者等が安心・安全に移動するための手段の提供が望まれています。さらに、介護分野においては、介護者と被介護者の双方が気持ちよく移動、気兼ねなく支援できることが重要です。このモビリティは、平常時の安心・安全、快適、格好いい移動はもちろんのこと、災害時の避難誘導やその後の移動・通信手段の確保にも対応するという視点を含んだ形で、社会インフラの新たな基盤を作ることを意図して研究開発を行っています。

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