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2011年12月9日

気候変動COP17/CMP7 ~南アフリカ・ダーバンから(その2)サイドイベントの開催

サイドイベントの開催

 気候変動枠組条約第17回締約国会議・京都議定書第7回締約国会合(COP17 /CMP7)期間中の12月2日(金)に、国立環境研究所(NIES)はマレーシア工科大学(UTM)との共催で「アジア低炭素社会:計画策定から社会実装へ」と題するサイドイベントを開催しました。

 世界の温室効果ガス排出量を2050年までに半分にするという目標を達成するために、アジアにおいてどのような排出削減の道筋が必要となるのでしょうか? 本サイドイベントでは、主催者を代表してNIESの中根英明審議役およびマレーシア工科大学のアズラーイ教授による挨拶に続いて、アジアにおける低炭素社会への道筋を実現する方法に関する研究の成果を報告しました。次に、ひとつの実例として、マレーシアのイスカンダル開発地域を対象とするシナリオ研究と実施に向けた取り組みを紹介しました。これらの報告をもとに、研究機関および政策実施機関の代表者を含むパネリストが議論を交わしました(内容は下記プログラムのとおり)。

 会場からは、政府間交渉の方向性との関連や、グリーン成長などほかの用語や取組みとの関係性について質問が出されました。これに対してパネリストからは、政治面で停滞している間も研究面からネットワークを強化することは可能なので、政策立案や様々な取組みを研究ネットワークが先導していくことが効果的であるとの回答がありました。会場に日本やマレーシアの政府関係者を含む約80名弱の参加者が集まり、議論に熱心に耳を傾けていました。

プログラム

全体司会 藤野純一(NIES)

16:45-16:55 開会挨拶
  中根英昭(NIES)
  Mohd Azraai Kassaim(マレーシア工科大学)

16:55-17:20 研究報告:何をしないといけないのか? 研究の役割
  甲斐沼美紀子(NIES)
  Ho Chin Siong(マレーシア工科大学)

17:20-17:45 コメント:どうすればできるのか? 政策実施機関の役割
  Mohamad Sa’elal(マレーシア イスカンダル地域開発庁)
  唐澤雅幸(国際協力機構)
  松澤裕(環境省)(スライドによるコメント提供)

17:45-18:15 パネルディスカッション:実現の鍵は何か?
  Kejun Jiang(中国能源研究所)
  P.R.Shukla(インド経営研究所)
  Mohamad Sa’elal(マレーシア イスカンダル地域開発庁)
  西岡秀三(NIES/地球環境戦略研究機関)

写真:サイドイベントの様子

備考
 本サイドイベントの内容は、環境省の環境研究総合推進費戦略的研究プロジェクト S-6「アジア低炭素社会に向けた中長期的政策オプションの立案・予測・評価手法の開発とその普及に関する総合的研究」、および国際協力機構/科学技術振興機構の地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)「アジア地域の低炭素社会シナリオの開発」の成果をもとにしたものです。