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「ディーゼル排気やディーゼル排気粒子などの微小粒子状物質による健康影響研究」のあゆみ

 国立環境研究所では、粒子状物質による健康影響研究を硫酸エアロゾルからはじまり、大気中微小粒子状物質(PM2.5)、ディーゼル排気粒子(DEP)等を対象にこれまで実施してきました。また、新たに環境中におけるナノ粒子に焦点をあてたプロジェクトもスタートしました。今回は、アレルギーや呼吸・循環器系への影響などのこれまでの成果、そして研究の今後をご紹介します。

課題名:「粒子状物質を主体とした大気汚染物質の生体影響評価に関する実験的研究」

(1988〜1992年度)
硫酸エアロゾル曝露がぜん息の典型的症状の一つである気道過敏性など呼吸器系や免疫系に及ぼす影響について検討する研究を行いました。

課題名:「ディーゼル排気による慢性呼吸器疾患発生機序の解明とリスク評価に関する研究」

(1993〜1997年度)
呼吸器系への慢性影響を中心に、ディーゼル車の排気ガス(DE)、DEP、とアレルゲンの吸入により、気管支ぜん息様の病態とアレルギー性鼻炎症状などとの関連を探る研究を行いました。

課題名:「空中浮遊微粒子(PM2.5)の心肺循環器系に及ぼす障害作用機序の解明に関する実験的研究」

(1999〜2001年度)
PM2.5の主要な部分を占めるDEPを対象物質として、DEの曝露実験や影響を受けた体内組織を調べ、DEPの中の物質がどのような形で心肺循環器系に障害を及ぼしているかを明らかにすることを目的とした研究を行いました。ここでは、DE曝露が花粉症に及ぼす研究も行っています。

課題名:「PM2.5・DEP等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクト」

(2001〜2005年度)
PM2.5・DEP等の排出源と環境動態の把握。測定方法の検討、疫学・毒性学的評価、曝露量に基づく対策評価モデルの検討などの研究を行いました。
毒性・影響評価研究は、DE、DEPなどを曝露し、アレルギー反応におよぼす影響と機構、正常、老齢動物および呼吸器や循環器系の病態モデル動物を用いた心電図などの心機能への影響や肺炎症状への影響を、免疫、生理、病理、生化学的視点から検討した研究などがあります。

課題名:「環境中におけるナノ粒子等の体内動態と健康影響評価」

(2006〜2010年度)
DE中のナノ粒子やフラーレンやカーボンナノチューブなど工業的に生産されるナノ材料、アスベストなどの体内動態と健康影響について検討しています。

本号に収録した健康影響研究は以下の組織・スタッフにより実施されてきました。

研究担当者(所属は2001〜2005年度末)

  • PM2.5・DEP研究プロジェクトグループ
    ・プロジェクトグループサブリーダー
     小林 隆弘
    ・毒性・影響評価研究チーム
     高野 裕久、鈴木 明、市瀬 孝道、古山 昭子、小池 英子、井上 健一郎、種田 晋二、柳沢 利枝、
     Arul Veerappan、美留町 潤一、戸田 典子、藤谷 雄二
  • 環境健康研究領域
    藤巻 秀和、平野 靖史郎、山元 昭二、菅野 さな枝、Tin Tin Win Shwe
  • 共同研究者
    机 直美(東京理科大学)、阿部 学(東京理科大学)