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2016年3月31日

環境と社会、経済を総合的に考えるためのモデル分析

コラム2

環境と社会、経済を総合的に考えるためのモデル分析

 社会の地域の復興を長期的な視点で考えるときには、その国や地域の長期的な産業や人口の見通しを分析することが必要になります。国や地域にとっては環境も社会や経済とならんで数ある課題のひとつです。特に復興自治体の多くでは、復興の目標を達成しても高齢化や将来的な人口の減少に直面することが課題になっています。そこで地域の目標を考えるには、低炭素や資源循環等とともに、他の様々な課題も検討する必要があり、人口の維持や産業の振興、交通インフラの整備等の目標を達成しながら、同時に環境の目標を達成することが求められます。特に日本全体の人口が減少に向かっている中では、自治体が地域の魅力を高めていかなければ、ますます他の地域に人口が流出することも予測されます。あるいは周辺の産業などの雇用機会や教育施設に通勤や通学をする人が居住することで地域が活性化することもあります。

 そこで地域の環境目標とともに、住宅と産業、地域外との通勤・通学の関係も合わせて目標を達成する地域の姿をシミュレーションするモデルを開発しました。これが本号「サマリー」でも紹介している「地域スナップショットモデル」です。

図2
図2:地域スナップショットモデルの構造
地域のデータを使い、産業、雇用、通勤、人口の関係を連立方程式として定式化し、ある条件のもとでの経済活動と人口を同時に推計します。例えば環境産業による復興と長期的な地域の人口維持の関係も定量的に計算することができます。

 このモデルはその地域にどのような産業開発ができるかをまず考えます。福島の浜通り地域では新しい地方分散型のエネルギー施設を核にした低炭素コンビナートなどが考えられます。次にその産業に従事している人の数を算定します。これをもとに地域にどれくらいの人が住むかを推定することができます。このとき、周辺地域に通勤する人、周辺地域から通勤してくる人の割合も考えに入れます。さらに、地域に居住する人が地域内で多く買物等をすればそのぶん地域内の産業の生産が増えますから、そこで就業する人が増え、地域の人口が増え、人口が増えると消費が増え…といった効果も計算する必要があります。

 このとき、就業者や居住者の年齢や性別も分析し、生まれてくる子どもの数ももちろん計算します。すると、ある人口維持の目標を考えたときに、どれくらい産業が必要か、地域住民で外へ通勤する人はどれくらいか、住宅供給はどれくらい必要か、それぞれの年代の方がどれくらい転入・転出することを選ぶか等の条件がわかり、これが達成すべき水準となり、地域施策の目標を考える際の参考になります。

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