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2016年6月30日

気候変動のリスクとその構成要素

コラム1

 気候変動リスクの大小は、気候関連のハザード、曝露、脆弱性の3つの要素によって決まります。気候関連のハザードとは、例えば、極端に暑い日、強い台風、豪雨の頻度などを指します。一方で曝露は、ハザードの大きな場所に人や資産の存在していることを、脆弱性はハザードに対する感受性の高さや適応能力の低さを指します。緩和策はハザードの制御(気候変化の抑制)のために、適応策は曝露・脆弱性の制御のために実施されます。

 気候変動による気象災害リスクの変化を検討する場合、強い台風の上陸数や豪雨頻度等の「ハザード」の変化、すなわち気候の変化のみに注目しがちになります。しかし、気象災害リスクの大小は、「ハザード」の大小だけでは決まらず、人口や建造物の数といった「曝露」の大きさにも依存します。また、リスクの大小は、防災インフラの整備を実施するための経済力や技術力、あるいは過去の被災経験といった諸条件に基づく「脆弱性」にも依存します。

 例えば、人口が密集する地域(曝露:大)で豪雨の頻度が高く(ハザード:大)なれば、被害を受ける可能性のある人や資産が増えるため、この場合は気候変動リスクが大きくなります。これが、堤防やダム、下水処理施設などのインフラ整備が進んでいない(脆弱性:大)途上国であれば、さらにリスクは大きくなります。

 気候変動リスク管理に際しては、緩和策によるハザード軽減に取り組むとともに、適応策により曝露・脆弱性を減らすことで、許容可能な範囲にリスクを抑えることが大事になります。

図3:気候変動リスクと それを構成する要素(IPCC (2014)に基づき作成)
図3:気候変動リスクとそれを構成する要素(IPCC(2014)に基づき作成)
IPCC(2014)Climate Change 2014. Impacts, Adaptation and Vulnerability

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