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2017年6月30日

化学物質の正確なヒト健康への影響評価を目指して
-新しい発達神経毒性試験法の開発-

環境儀 No.65

ES細胞を用いて、化学物質のヒトへの影響を予測する

 私たちの身の回りの環境は年々大きく変わってきており、その変化に応じて環境中のさまざまな化学物質に私たちは曝(さら)されています。そのため、環境中にある化学物質が私たちの健康や生物などに、悪影響を及ぼしているのではないかという懸念が長い間続いています。1960年代に公害問題がクローズアップされ、限られた地域で特定の化学物質に高濃度で曝露(ばくろ)された人々の健康被害が問題になりました。しかし、現代では低濃度で多様な化学物質に曝されている多くの人々の健康状態に関心が向けられています。子どもでは発達障害やアトピー性皮膚炎、ぜんそくなど、高齢者では認知症やがんなどの疾病が増加しており、生活環境中の化学物質がこれらの疾病の発症に関与していると考えられています。

 特に胎生期にある種の化学物質に曝されると、その後の成長や発達に影響を与えると考えられています。そのメカニズムを明らかにするには、細胞の分化や組織の発達が観察できるヒト組織由来の胚性幹(ES)細胞や人工多能性幹(iPS)細胞を用いることが有望視されています。

 本号では、国立環境研究所で2009年より文部科学省の許可を受けて実施しているヒトES細胞による研究を中心に、ヒト組織由来の細胞を用いた化学物質の影響評価について紹介します。

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