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2017年9月29日

チャンバー法による森林生態系における炭素循環プロセスの測定

コラム2

 私たちは、森林生態系における炭素循環プロセスの時空間変動と、そのコントロール要因を明らかにすることを目的として、林冠部光合成や地上木部(幹と枝)呼吸、土壌呼吸を多地点で連続測定できる「マルチチャンネル自動開閉チャンバー式測定システム」を独自に開発しました。1台の二酸化炭素分析計で、最大24地点に配置したチャンバーでの測定ができるようになっています。24基のチャンバーは、光合成チャンバー、木部チャンバーおよび土壌チャンバーに分けられ、研究の目的によって、3種類のチャンバーの数は自由に組み合わせることができます。特に、光合成チャンバーに関しては、耐風性と、軽量化を工夫しました。また、木部チャンバーに関しては、現場で幹と枝の太さや形に応じて組み立てが可能になるデザインを採用しました。この「マルチチャンネル自動開閉チャンバー式測定システム」を用いて、森林生態系炭素循環における光合成、地上木部呼吸および林床部炭素収支など、主要な森林炭素循環プロセスの同時連続測定を、世界で初めて実現しました。

 近年、このチャンバーシステムは主に森林生態系の林床部における炭素収支プロセスの長期連続観測に応用されています。その際、チャンバーを3つのグループに分け、それぞれ総土壌呼吸、微生物呼吸、林床植物を含めた林床部の二酸化炭素交換量を測定します。たとえば、24基のチャンバーの場合、測定周期を1時間に設定し、1基のチャンバーの測定時間は2.5分間としています。また、チャンバーは透明な塩化ビニル板で作っているため、草原におけるNEPの連続観測にも応用できます。さらに、本体やチャンバーを小型化し、最先端の「携帯型自動開閉チャンバー式土壌呼吸測定システム」として、様々な生態系での観測に応用しています。

図2 国立環境研究所地球環境研究センターが開発した、世界最先端の「マルチチャンネル自動開閉チャンバー式測定システム」