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2017年9月29日

チャンバーネットワーク

コラム4

 私たちが独自に開発した自動開閉チャンバー式測定システムは、世界的に観測精度が認められており、国内外の大学や研究機関との共同研究を進めた結果、世界最大規模のチャンバー観測ネットワークを構築し、アジアを中心とした広域観測網を形成するに至っています。このチャンバーネットワークは、シベリアと北海道の北方生態系から、本州、九州と韓国の温帯林、台湾、香港と中国南部の亜熱帯林、およびタイとマレーシアの熱帯雨林までの温度帯をカバーしています。また、中国の沿岸部の湿潤な森林生態系から、内モンゴルの乾燥草原、およびチベット高原の湿地と永久凍土も含んでいます。さらに、アメリカの大学との共同研究として、アラスカの北方林とオクラホマ州の乾燥草原にも展開しています。本ネットワークによる広域的な観測結果は、アジアを中心とした土壌呼吸の時空間変動要因の把握を可能にし、気候変動に関する将来予測の精度の向上に大きく貢献することが期待できます。

アジアの観測点の地図
図4 国立環境研究所が開発・推進するチャンバー観測ネットワーク
赤色:土壌呼吸の通常観測サイト
水色:土壌呼吸の温暖化操作実験サイト