ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方
2020年3月27日

社会対話「環境カフェ」
科学者と市民の相互理解と共感を目指す新たな手法

環境儀 No.76

対話オフィスの写真

 2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故を契機に、科学者(専門家・研究者)が「市民との対話と交流に積極的に参加すること」、さらに「社会に向き合う科学」が取り上げられ、科学技術の限界や不確実性を踏まえた「社会への発信と対話」(社会対話)が重視されるようになりました。また、現代の科学技術と社会の接点においては、環境問題のように「科学に問うことはできるが、科学が答えることができない問題群」(トランス・サイエンスの問題)が存在します。このような科学が答えることができない問題群に対する意思決定の場は、科学者と行政のコミュニティに閉じられることなく、科学者と一般市民が情報や知識、価値観を共有したうえで解決すべきであると考えられています。

 このような科学者と市民の対話重視の社会状況のなかで、2015年度から東京やつくばをはじめ全国各地で科学者と市民の対話の実践「環境カフェ」を開催しています。「環境カフェ」は、環境研究に関連するテーマについて、参加者の対話により科学者と市民の理解を深め、共感を促すこと(共感の場をつくる)を目的とする社会対話です。

 本号では、東京などの国内各地や国立環境研究所の一般公開(春の環境講座)での開催、さらには学生らによるアメリカやイギリス、ロシアなど海外の大学などにおけるKankyo Caféの取り組みについて報告します。

関連新着情報

関連研究報告書

表示する記事はありません