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1999年5月31日

十和田湖の生態系管理に向けて

国立環境研究所研究報告 R-146-'99

表紙
R-146-'99 [7.5MB]

 本報告書は水産庁さけ・ます資源センター,青森県環境保健センター,秋田県環境技術センター,青森県内水面水産試験場および秋田県水産振興センターと共同で行っている平成10~12年環境庁国立機関公害防止等試験研究「生物間相互作用を考慮した適切な湖沼利用と総合的な湖沼保全を目指す基礎的研究」の中間報告である。十和田湖では1980年代半ばにCOD濃度が環境基準値の1ppmを越え,透明度の低下が認められ富栄養化が懸念されている。

 一方,同じ頃からワカサギが増え,同湖の重要な水産資源であるヒメマス漁が不振になったが,その原因が特定できないでいた。過去の文献調査と共同研究によりワカサギの導入がヒメマスとの餌をめぐる競争を引き起こし,動物プランクトン群集が小型化しクロロフィルa量の増加ならびに透明度の低下を招いた事実を科学的に証明した。さらに,十和田湖の保全に向けて,ヒメマスの適正な資源量,沿岸域の生態系の構造,河川からの負荷量等を明らかにした。

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