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2001年3月31日

亜熱帯域島嶼の生態系の保全-亜熱帯域島嶼の生態系保全手法の開発に関する基礎研究-(平成9年〜11年度)報告書

国立環境研究所研究報告 R-158-2001

表紙
R-158-2001 [5.9MB]

 東京から約1000km南に位置する亜熱帯の小笠原諸島は19世紀には捕鯨の拠点として世界的に注目されており,米国のペリーが浦賀来航の直前にその中の父島に寄港している。かつてそこは鯨やウミガメ,航海に欠かせない豊富できれいな水のある緑の無人島-太平洋の楽園-であった。海洋島であるゆえに種の約3割が固有種の豊かな自然の島嶼で,東洋のガラパゴスと称されている。昨今の森林の伐採,開発及び移入種の侵入のため,希少な固有種が滅びつつあるなか,その緊急を要する生物多様性の保護と,自然資源を未来世代に引き継ぐための保全手法の開発を目的として本研究は行われた。本報告はその研究成果を取りまとめたものである。島嶼生態系の多様性把握手法の開発,維持機構の解明,移入種問題,保全のためのモデリングと評価手法についての研究成果31編が掲載されている。これらの研究成果が島嶼生態系の保全の礎となり,小笠原諸島がいつまでも亜熱帯域の生き物たちの楽園であることを望みたい。