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国立環境研究所研究発表会・特別講演会報告

乙間 末廣

 環境月間にちなんで,本年も6月16日に平成7年国立環境研究所研究発表会が大山記念ホールで開催された。発表は,地球環境研究グループから3件,地球環境研究センターから1件,地域環境研究グループから4件の計8件で,カラフルなビデオプロジェクター,スライド,OHPを利用するなど,いずれも十分な準備の様子がうかがえ,日頃の研究成果を分かりやすく説明していた。午前と午後の研究発表に挟まれて,15題のポスター発表およびデモンストレーションが中会議室とロビーで行われた。こちらもパソコン,模型,写真,グラフなどを駆使した力作の競演となった。当日は外部から約160名の参加者があり,研究所内の参加者と合わせ,会場は終日にぎわい,成功裏に進行した。

 翌17日には,国環研特別講演会が催され,ミュージシャンの坂田明氏から「ミジンコから何を教わったか」という題のお話があった。長年のミジンコの観察を通じて得られた生命への深い畏敬をもとに,その生命を育む自然に対して人間が謙虚になることの大切さについてご講演いただいた。氏が自ら撮影されたミジンコのビデオやユーモアに満ちたお話に,一時間半の講演時間が瞬く間に経過した。

(おとま すえひろ,セミナー委員会幹事 社会環境システム部資源管理研究室長)

研究発表会・特別講演会プログラム

研究発表会 6月16日(金)

〔研究発表〕

科学者と政策決定者は理解し合えるか? ‐地球温暖化の総合評価モデリング‐ 森田恒幸
マレーシアにおける熱帯林研究:生物多様性とその保全 可知直毅
人工衛星からオゾン層変動の実態を解明する‐ILASプロジェクト‐ 笹野泰弘
地球環境を診断する 藤沼康実
エコビークルの開発について 清水浩
東京湾における青潮発生 竹下俊二
ディーゼル排気粒子(DEP)による肺がん発生の新しいメカニズムについて 嵯峨井勝
中国の大気汚染の現状 安藤満
〔ポスターセッション〕
北極圏のカラマツ林‐木々の年齢からの林の歴史を推しはかる‐ 竹中明夫
スギ花粉数の計測と花粉症症状 松本幸雄
都市中小河川の有機塩素化合物と有機塩素量 相馬悠子
地球温暖化対策が日本経済に及ぼす影響についてのシミュレーション分析 日引聡
エネルギー節約と二酸化炭素排出抑制の観点からみたごみ発電の価値は? 森保文
東アジア地域植生分布モニタリングのためのNOAA AVHRRデータ処理システムの構築 清水明
バイカル湖地域の古環境変動解析に挑む 田中敦
トランスジェニックマウスを用いた環境汚染物質の毒性評価の試み 遠山千春
温暖化は死亡率に影響を与えるか 本田靖
大気大循環モデルを用いた長距離輸送の研究 菅田誠治
つくばで観測されたピナツボ火山1991年噴火に由来する 210Pb 土井妙子
遺伝子操作による植物の環境ストレス耐性機構の解明 青野光子
環境情報センターの活動およびデータベースの紹介 波多野実
地球環境研究センターにおける地球環境モニタリング事業 福島健彦
図で見る地球環境‐GRID-Tsukuba‐ 宮崎忠国

特別講演会 6月17日(土)

ミジンコから何を教わったか 坂田 明(ミュージシャン)