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 今回初めて編集委員会に参加して依頼原稿の査読に加わらさせて頂いたが,自分の専門外の方の書かれた原稿についてにどうのこうの言うのは,甚だ心理的によろしくないというのが正直なところであった。しかし何故自分の専門とは異なることについて書かれたものが理解し辛いのかということを考えると,それはそれぞれ個人の日常的な仕事 -つまりルーティン作業- の実状を,御互いが知らないからではないかと最近つとに考えさせられるのである。個々の研究テーマにおける目的は,本来的に真に科学的かつ壮大なもののはずであるが,現実的にできることは限られており,個々の単純な単位操作の中に潜む技術的な問題点や限界点は,当事者以外には窺い知れないものなのである。異分野の方が書かれたものを読む時には,文面には直接出ていないその人の仕事上苦心された点を,(査)読者は行間から汲み取らなければならないのではあるまいか。実はこうした他人の仕事上の”苦労話”こそ真に我々が知るべきところではないか,と思うのですが…。

(H.M)