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 ON 対決と銘打って一部の野球ファンを熱狂させた日本シリーズも終わり,今年もまた能力の高い日本人選手がアメリカ大陸に渡る季節がやってきた。ON 対決とは一体何だったのだろう。野球に精通し方々からはいろいろな議論も出てくることと思うが,やはり人寄せパンダ的意味合いも強かったことは否めない。野球界が掲げるテーマがもっとファンをひきつけるようなものであって欲しいと思う。

環境研究にも若干通ずるところがあるのではと思ったりする。環境研究テーマの多くが時流のキーワードに依存している気がする。何々ブームというのは確かに重要な問題提起をしてくれる半面,多勢をとらえて同じ方向に流しかねない一面をもはらんでいる。時間をようする研究領域では,ブームに惑わされてしまうと各論はおろか環境研究全体が持続性のないものと化してしまう。環境研究者自身が独自性と牽引力を発揮しなくては,と自身反省する毎日である。

近頃の編集後記は職員自身の反省が続いているが,これも独立行政法人化に向けての何らかの影響だろうか。

(T.M.)