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表彰

受賞者氏名:笹野 泰弘
受賞年月日:平成16年5月17日
賞の名称:(社)日本気象学会藤原賞
受賞対象:ADEOS衛星搭載センサー,ILASの推進によるわが国における大気化学研究の発展に寄与した功績
受賞者からひとこと:
 本研究所で長年取り組んできたILAS(改良型大気周縁赤外分光計)による成層圏オゾン層観測プロジェクトの推進とそれによる大気化学研究の発展への貢献を評価されて,本賞を受賞しました。本賞は,故藤原咲平博士の偉大な功績を記念し,気象学に関する調査,研究,総合報告,著述等により,日本の気象学および気象技術の向上に寄与したものを顕彰するというものです。気象学の中では新興の分野である成層圏大気化学の,比較的大規模な観測プロジェクトに関してその功績を認められたことは,そのリーダーシップを認めて頂いた一個人としてだけではなく,国内外の多くの仲間とともに本プロジェクトに取り組んできたものとして,仲間とともに大きな喜びと致したいと思います。

受賞者氏名:松本 幸雄・内山 政弘・大原 利眞
受賞年月日:平成16年8月5日
賞の名称:日本エアロゾル学会 井伊谷賞
受賞対象:雪面におけるREA法によるエアロゾルのフラックス測定
受賞者からひとこと:
 受賞した研究は大気中のエアロゾルが地表面に沈着する速度を観測する手法に関するものです。炭酸ガスなどの気体と異なり,エアロゾルの測定には本質的な難しさがあり,この数十年間,説得力のある観測方法がいまだ確立していませんでした。このような困難なテーマは若い人に限ると,科学研究費・ポストドクターフェローとして環境研に昨年度滞在した尾保手(おぼて)朋子さんに挑戦して貰いました。環境研および共同で研究を行った東洋大,北大のメンバーは実測と理論のサポートにまわりました(時には,プレッシャーをかける役も)。若い力を戴いた楽しい一年間でした。 いまだ,発展途上の研究成果を学会が認めてくれたことを研究チームの皆と感謝しています。

受賞者氏名:越川 昌美
受賞年月日:平成16年9月19日
賞の名称:日本陸水学会第6回学会賞 吉村賞
受賞対象:調和型湖沼琵琶湖における溶存アルミニウム濃度の季節変化
受賞者からひとこと:
 同賞は,前年度と前々年度の「陸水学雑誌」及び「Limnology」掲載論文から1~3編の優れた論文を選び,その第一著者を表彰するもので,日本の陸水研究の先駆者である吉村信吉氏(1907-1947)の業績を記念して1998年に設けられました。受賞対象となった上記論文は,堀智孝先生と杉山雅人先生(京都大学)との共著です。本論文は,調和型湖沼(貧栄養型や富栄養型の湖沼を指す。酸性湖は非調和型湖沼に分類される。)において溶存アルミニウム濃度が低く保たれる仕組みの解明を目的として,琵琶湖で33ヵ月間,毎月9地点で観測を行ったものです。湖全域の表層部で溶存アルミニウム濃度が0.01μMから0.30μMの範囲で季節変化を示す現象が,河川水の移入などによるものではなく,pHに依存した懸濁物質との吸着-溶出反応によるものであることを,野外調査と室内実験を用いて示しました。現在は山地渓流水の溶存アルミニウム濃度に関する野外調査をすすめているところですが,今回の受賞を励みに,観測したデータの背後にある法則性を探る研究を続けたいと考えております。