2011年6月30日
編集後記
東北地方を中心とした東日本で起きた大地震と大津波から、100日が過ぎた。犠牲となった方の恐怖や無念はいかばかりであったろう。生き延びた人たちも、未だに約1万人が避難所暮らしを強いられている。福島第一原発事故は収束の見通しがつかず、放射性核種は汚染水とともに漏れ続けている。環境が、生き物が、どれほど汚染されているか。ふるさとから離れざるを得なかった人も、今も住み続けている人も、どんな想いでおいでだろう。第3期中期計画が始まったが、この現実は重い。そんな中、出張先の佐渡で南相馬市から避難してきたという女性に、偶然、お会いした。「私たちはずっと原発に反対してきたのに、原発の近くで暮らすことを余儀なくされ、しかも、この事故でこんな目に遭わされた…」と、語り口は穏やかであったが、強い怒りを発しておいでだった。何とお答えしてよいかに迷った。自分に何ができるか、自問して答えを出す必要がある。「原発は安全でクリーンなエネルギー」と強弁し続けてきた人たちに、ぼやき漫才の故人生幸朗師匠は、こう言ったかもしれない…「責任者、出て来い!」
(T.H.)
目次
- 東日本大震災と国立環境研究所
- 国立環境研究所第3期中期計画の研究体制
- 国内外の地球環境政策立案に資する研究展開を
- 新たな循環型社会づくりに向けた「循環センター」の役割
- 環境リスク研究の発展にむけた環境リスク研究センターの取り組み
- 地域環境研究の中核センターとして
- 生物多様性の保全、その実践を支える研究へ
- 環境健康研究センターの組織と研究プログラム
- 文理融合で進める環境、社会、経済を俯瞰する研究
- 環境の計測を通して環境問題の理解と解決を目指して
- 東日本大震災からの復興に対する国立環境研究所としての取組
- 国立環境研究所 「夏の大公開」 −しらべてみよう! 地球のこと 環境のこと− 開催のお知らせ
- 暑気緩和に緑のカーテン
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