ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方
2021年4月30日

「第36回全国環境研究所交流シンポジウム」報告

【行事報告】

企画部研究推進室

 全国環境研究所交流シンポジウムは、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、第1回の昭和61年以来、毎年度の第4半期に開催されているものです。第36回目となる今回は、「現場から考える環境研究」と題し、令和3年2月17日にオンライン開催されました。例年は国環研で二日間に渡り実施され、国環研の見学会や懇親会なども行われていましたが、本年度は新型コロナウイルス感染症拡大が収まらないこともあり、オンライン(Webex)による一日の開催となりました。参加は、アカウント数で190を超え、地方環境研究所については、59機関から参加がありました。オンラインということで、1機関から複数の視聴者があり、それを勘案すると300人に近い方々が視聴されました。

 まず、渡辺理事長(※当時)による開会挨拶があり、それに引き続いて1件の特別講演と13件の一般講演が行われました。特別講演は事前に行なったアンケート調査において関心の高かった課題から選びました。講演題目と発表者については下をご覧ください。

 質疑応答は口頭のみならず、会議ソフトのチャット欄を用いた議論も活発になされ、それぞれの地域の環境問題に対する各地方環境研究所の取り組みについて多くの知見が共有されました。最後、森口理事の閉会挨拶をもって終了しました。

 事後アンケートによると、オンライン開催となったことで普段参加出来ない地方環境研究所の研究者が手軽に数多く参加できたことにご満足いただけたようで、今後、新型コロナウイルス感染症が収まった後も、対面とオンラインのハイブリッド開催を求める声が数多くありました。普段とは違った形ではありますが、地方環境研究所と国立環境研究所の研究者が一堂に会し、地域環境研究の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりました。ご講演、ご参加いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。

《第36回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者》

座長:橋本 俊次(国立環境研究所)


特別講演
(1)これまで関わった油汚染事故と対応について
 ○牧  秀明(国立環境研究所)
一般発表
(2)LC-MS/MSによる分析を通じた生活由来物質のリスク解明に関する研究
 ○高澤 嘉一(国立環境研究所)
(3)水環境中における化学物質のスクリーニング分析
 ○西野 貴裕(東京都環境科学研究所)
(4)沖縄県における有機フッ素化合物の分布状況について
 ○知花  睦(沖縄県衛生環境研究所)

座長:青野 光子(国立環境研究所)


(5) 降雨時における市街地排水中窒素成分の流出解析
 ○横山 新紀(千葉県環境研究センター)
(6) 印旛沼流域における面源負荷量の検討
 ○横山 智子(千葉県環境研究センター)
(7) 神奈川県内における環境DNAを用いたサンショウウオの調査
 ○長谷部 勇太(神奈川県環境科学センター)
(8) 環境DNAを用いた群馬県内河川の魚類調査について
 ○木村 真也(群馬県衛生環境研究所)
(9) 大阪湾圏域の干潟泥と生息生物から検出されたマイクロプラスチックの特徴
 ○中尾 賢志(大阪市立環境科学研究センター)

座長:肱岡 靖明(国立環境研究所)


(10) 長野県のゼロカーボンに向けたカラマツ人工林の炭素収支の気候変動応答評価
 ○栗林 正俊(長野県環境保全研究所) 
(11) 救急搬送データから読み解く地域の熱中症リスクと地方自治体の取組
 ○本城 慶多(埼玉県環境科学国際センター)
(12) 都市ヒートアイランド対策のための人工排熱量インベントリ推計手法および政策を反映可能な人工排熱量簡易推計ツールの開発
 ○原  政之(埼玉県環境科学国際センター)
(13) 地域における気候変動適応のための情報発信と課題
 ○浜田  崇(長野県環境保全研究所)
(14) 地域における気候変動適応に関する取り組みの分析と国環研による支援内容の紹介
 ○藤田 知弘(国立環境研究所)

詳しい内容は、予稿集全文(下記のURL)でご覧になれます。
https://tenbou.nies.go.jp/science/institute/region/joint_zkksympo2020.pdf

関連記事