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2003年6月26日

平成14年度における環境配慮に関する取り組み状況

国立環境研究所は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全に関する調査及び研究を行うことにより、環境の保全に関する科学的知見を得、及び環境の保全に関する知識の普及を図ることを使命としている。

当研究所では、この使命のもと、自らの活動における環境配慮が良好な環境の保全と創出に寄与するための具体的な実践の場であるとの認識に基づき、環境配慮に関する取組を進めている。

平成14年度においては、環境管理委員会を再編し、その下部組織として廃棄物管理専門委員会及び省エネルギー小委員会を設置するとともに、化学物質管理小委員会と安全管理委員会を統合すること等により環境管理体制の充実を図り、前年度に策定した環境憲章に基づき、環境配慮に関する取組みの着実な実施を図った。

以下、その概要について報告する。


独立行政法人国立環境研究所 環境憲章

平成14年3月7日

1. 基本理念

国立環境研究所は、我が国における環境研究の中核機関として、環境保全に関する調査・研究を推進し、その成果や環境情報を国民に広く提供することにより、良好な環境の保全と創出に寄与する。こうした使命のもと、自らの活動における環境配慮はその具体的な実践の場であると深く認識し、すべての活動を通じて新しい時代に即した環境づくりを目指す。

2.行動指針

  1. これからの時代にふさわしい環境の保全と創出のため、国際的な貢献を視野に入れつつ高い水準の調査・研究を行う。
  2. 環境管理の規制を遵守するとともに、環境保全に関する国際的な取り決めやその精神を尊重しながら、総合的な視点から環境管理のための計画を立案し、研究所のあらゆる活動を通じて実践する。
  3. 研究所の活動に伴う環境への負荷を予防的観点から認識・把握し、省エネルギー、省資源、廃棄物の削減及び適正処理、化学物質の適正管理の面から自主管理することにより、環境配慮を徹底し、継続的な改善を図る。
  4. 以上の活動を推進する中で開発された環境管理の技術や手法は、調査・研究の成果や環境情報とともに積極的に公開し、良好な環境の保全と創出を通じた安全で豊かな国民生活の実現に貢献する。

1.省エネルギー等の取組

省エネルギー等の計画的推進のため、「国立環境研究所省エネルギー等計画」に基づき、例年どおり大型実験施設の計画的休止等に取り組んだが、14年度の上半 期において、所内の冷房等の熱源としているガスを中心にエネルギー消費量が増加し、省エネ計画の指標である対12年度・床面積当たりで6%の増となった。(参考資料1)

このため、下半期の省エネ対策の強化、省エネ計画の見直し改定を行った。

14年度下半期の省エネ対策強化では、大型施設等の計画休止の追加実施、冬季暖房の合理化(室温20℃を目標にエネルギーセンターと各棟の取組を具体化)、所内エネルギー情報の月別公表等を決め、実施した。(参考資料2)

省エネ計画の見直しでは、計画中の新棟整備後の16年度を想定して省エネシステムの再評価を行い、最適と判断された省エネ型冷凍機の15年度導入を決めたほか、冷暖房の目標温度の強化などを行った。(参考資料3)

平成14年度における光熱水量の実績は、下表のとおりであった。

電気・ガスのエネルギー消費量は、上記の下半期省エネ対策強化により改善が見られたものの、年間実績としては対12年度比・床面積当たりで3%の増加となった。

一方、上水使用量については、対12年度比・床面積当たりで83%となり、計画の目標(12年度比・床面積当たり90%以下)を達成した。

表1 エネルギー消費量及び上水使用量

年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
項目
エネルギー消費量 電気 274,075 GJ 312,771 GJ 339,458 GJ
ガス 176,084 GJ 215,709 GJ 254,076 GJ
合計 450,159 GJ 528,480 GJ 593,534 GJ
床面積当りエネルギー消費量 (増減率) 7.4394 GJ/m2
(100)
7.3508 GJ/m2
(99)
7.6451 GJ/m2
(103)
上水使用量 148,054 155,992 m3 157,807 m3
床面積当り上水使用量 (増減率) 2.44 m3/m2
(100)
2.16 m3/m2
(89)
2.03 m3/m2
83)
(参考)延床面積 60,510 m2 71,894 m2 77,636 m2

なお、地球温暖化対策推進法に基づく政府の温室効果ガス排出抑制等に関する実行計画が14年7月に策定されたことから、研究所における14年度の二酸化炭素排出量を算定したところ、政府実行計画と同じ指標の対13年度比・排出量では13%の増加、同・床面積当たりでも3%の増加であった。(参考資料1)

今後、改定省エネ計画の推進等により、今後できるだけ早期の排出削減を図りたい。

2.廃棄物・リサイクルの取組

13年度に策定した「廃棄物・リサイクルに関する基本方針及び実施方針」に基づき、廃棄物の分別収集体制を大幅に見直すとともに、広報活動等による周知・啓発を図り、廃棄物の減量化及びリサイクルに努めた。(参考資料4)

廃棄物管理の充実を図るため、従前の廃棄物処理規則等を全面的に見直し、新たに「国立環境研究所廃棄物管理規程」を制定することにより、廃棄物管理に関する責任体制の明確化、分別・保管・処分に関する規定の整備等を行った。今後、実験系廃棄物の取扱要領等を再整備し、廃棄物管理に万全を期することとしている。(参考資料5)

上記の実施方針と規程に基づき、廃棄物等の発生量を日々計測し、集計整理した。平成14年度における廃棄物等の発生量は下表のとおりであり、所内施設・人員の増加等とともに総量は増加したものの、分別回収の徹底によりプラスチック・金属類等の再資源化が図られた。

表2 廃棄物等の発生量

区分 平成13年度 平成14年度 備考
可燃物 53,448 kg 注1) 71,509 kg  
実験廃液 5,334 リットル 10,019 リットル 本構外施設から受入
循環資源 廃プラスチック類 38,850 kg 8,845 kg 分別の徹底
ペットボトル 699 kg
アルミ缶 317 kg
金属くず 9,587 kg
機器等 8,612 kg
電池類 266 kg
古紙 43,960 kg 51,941 kg  
空き瓶 2,650 kg 6,032 kg  
ガラスくず 4,580 kg 2,049 kg  
合計 148,822 kg 注2) 169,876 kg 対前年度114%
(参考) 研究所職員数 注3) 595 人 673 人 対前年度113%

注1. 平成13年度の可燃物発生量は推計値を含むものであり、14年度と算出方法が異なる
注2. 合計の重量は、実験廃液を1リットル=1kgと仮定して計算した。
注3. 職員数は、常勤職員及び非常勤職員の合計である。

3.化学物質の適正管理

13年度に策定した「化学物質のリスク管理に関する基本方針及び実施方針」に基づき、管理台帳システムに基づく化学物質管理を徹底するなど化学物質の合成、購入、保管、使用から廃棄に至るまでの適正な管理を推進した。(参考資料6)

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(以下、PRTR法という。)に基づき、ダイオキシン類の環境排出量の届出を行った。また、同法に基づく届出対象の基準に達しなかった化学物質についても、保管、購入、使用、廃棄状況の調査を行っており、結果がまとまり次第、公表する予定である。

4.グリーン調達の実施

グリーン購入法に基づき、国立環境研究所として策定した「環境物品等の調達の推進を図るための方針」により、環境に配慮した物品及びサービスの調達を行った。(参考資料7)