- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0105AE191
- 開始/終了年度
- 2001~2005年
- キーワード(日本語)
- 環境ホルモン,脳機能障害
- キーワード(英語)
- ENVIRONMENTAL HORMONES,NEURONAL DYSFUNCTIONS
研究概要
今日の社会的問題となっている内分泌攪乱化学物質が、脳神経系の機能に影響を及す可能性が指摘されてきているが、その詳細については不明なところが多い。例えば、注意力欠陥多動性障害の子供が近年増えており、その原因に内分泌攪乱化学物質の影響を原因とする説が唱えられている。内分泌攪乱化学物質が子供の脳が最も発達する時期である妊娠中や授乳期に子宮内暴露や母乳により、子供の体内に入って危険がもたされている可能性が指摘されている。また、注意力欠陥多動性障害にはド-パミン輸送体に作用する「リタリン」という薬剤が有効であることから、注意力欠陥多動性障害の子供のド-パミン輸送体遺伝子を調べたところ、この遺伝子異常が高率に出来していることが明らかになった。ド-パミンという神経伝達物質の正常な伝達が、遺伝子異常あるいは内分泌攪乱化学物質などによる攪乱で妨げられている可能性がある。そこで、本研究では広汎性発達障害モデル動物を作製し、内分泌攪乱化学物質が広汎性発達障害の原因物質であるかどうかを調べるとともにそれらの脳機能障害の機序を分子レベルで解析することを研究目的とする。
全体計画
平成13年度 ドーパミン枯渇による広汎性発達障害モデル動物の作製と遺伝子発現変化の同定
平成14-16年度 環境ホルモンによる広範性発達障害モデル動物のスクリーニング
平成17年度 環境ホルモンによる広範性発達障害モデル動物の遺伝子発現変化の同定
今年度の研究概要
生後5日齢のラットに環境ホルモンを投与し、その後、経時的に自発運動量を測定し、行動異常を起すものをスクリーニングする。多動障害動物における遺伝子発現の変化をマイクロアレイ法により同定する。
課題代表者
石堂 正美
- 環境リスク・健康研究センター
統合化健康リスク研究室 - 主任研究員
- 理学博士
- 理学