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母乳からのダイオキシン曝露がもたらす水腎症の発症とそのメカニズムの検討(平成 16年度)
Hydronephrosis caused by lactational exposure to 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin in rats

予算区分
AE 経常
研究課題コード
0405AE327
開始/終了年度
2004~2005年
キーワード(日本語)
ダイオキシン,水腎症,Arylhydrocarbon(Ah)-レセプター
キーワード(英語)
DIOXIN,HYDRONEPHROSIS,AH-RECEPTOR

研究概要

母乳がダイオキシン類に汚染されている場合の授乳の是非および子への生体影響が社会的な関心事となっている。本研究ではラットやマウスなどの実験動物を用いて、クロスフォスタリング実験で母乳中に移行したダイオキシン曝露により生じる仔の水腎症発症メカニズムを明らかにする。本研究成果は母乳中のダイオキシン曝露が及ぼす次世代への生体影響のリスク評価に役立てる。

全体計画

(1)授乳期の日齢が異なるダイオキシン曝露ラットあるいはマウスの腎尿細管における遺伝子発現をマイクロアレイ法により解析する。(2)同様にAh−レセプター欠損マウスおよび野生型マウスにダイオキシンを曝露してAhRに依存して発現誘導する遺伝子の解析を行う。(3)遺伝子解析結果から得られた変動遺伝子の中から水腎症に関連する特定遺伝子を検索し、Real-time PCR法により発現量を定量し、発症のメカニズムを明らかにする。

今年度の研究概要

母乳中のダイオキシンに曝露した仔ラットでは水腎症が発症し、ダイオキシン誘導酵素であるCytochrom P450(CYP)1A1が腎尿細管の特定部に発現誘導される。しかし、成熟期にダイオキシンを曝露しても水腎症の発症は認められない。一方、Ah-レセプター(AhR)欠損マウスを用いた実験から水腎症の発症にAhRが関与していることが分かっている。今研究ではラット腎尿細管の分化の過程において、ダイオキシン曝露によりAhRを介して発現誘導される遺伝子を網羅的に解析して関連遺伝子を特定し水腎症発症メカニズムを解明する。

課題代表者

西村 典子