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母乳細胞を用いたダイオキシン曝露のバイオマーカーの有用性の検討(平成 18年度)
Evaluation of CYP1A1 mRNA expression in milk cells as a biomarker for dioxin exposure

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0506CD496
開始/終了年度
2005~2006年
キーワード(日本語)
母乳細胞,ダイオキシン,バイオマーカー
キーワード(英語)
MILK CELL, DIOXIN, BIOMARKER

研究概要

母乳には通常の食物より高い濃度のダイオキシン類が含まれており、器官発達・成長期である乳児に対する影響が懸念されている。一方、疫学調査において、子どもの発達の遅滞と母親の血清中のダイオキシン類濃度との関連が報告されており、母親の曝露の影響を評価するバイオマーカーが必要とされている。そこで母乳細胞に着目し、母乳細胞におけるCYP1A1の発現と母乳中ダイオキシン類濃度との相関、CYP1A1の発現に影響を及ぼす遺伝的因子等を検討することにより母乳細胞を用いたバイオマーカーの有用性を検討することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

インフォームドコンセントのもと、出産1週間以内の母親から母乳および血液を採取する。母乳は遠心分離し母乳細胞を分離する。クリーム層についてはHRGC/MSによりダイオキシン類を分析する。母乳細胞におけるCYP1A1mRNAの発現を調べる。また、血液からDNAを抽出し、CYP1A1の多型を調べる。以上の結果から母乳週のダイオキシン濃度とCYP1A1mRNA発現との関係、それへの遺伝的多型の影響、質問紙により得たライフスタイル、食事などの情報を加味し、母乳細胞のCYP1A1mRNA発現のダイオキシン曝露のバイオマーカーとしての有用性を検討する。

今年度の研究概要

(1) 出産後1週間以内の母乳を採取し、母乳細胞を分離し-80℃で凍結保存する。分離した母乳細胞について、CYP1A1、CYP1B1 mRNAの発現をリアルタイムRT-PCRにより測定する。
(2) 母乳を採取する母親の出産前に血液を採取し、DNAを抽出し、CYP1A1、GSTM1遺伝子の多型を解析する。
(3) 以上の結果と、母乳のクリーム層中のダイオキシン類濃度、アンケートによる食事、ライフスタイルの調査結果と合わせ、母乳細胞における CYP1A1、CYP1B1 mRNAの発現とダイオキシン類濃度との関係、それらに及ぼす食習慣やライフスタイルの影響、遺伝子多型の CYP1A1、CYP1B1 mRNAの発現への影響を解析し、母乳細胞を用いたバイオマーカーの有用性を検討する。

関連する研究課題
  • 0 : 環境リスク研究センターにおける研究活動

課題代表者

米元 純三