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ブナ林衰退地域における総合植生モニタリング手法の開発(平成 19年度)
Development of a comprehensive monitoring method for assessing the vegetation decline at beech forest region

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
0509AH953
開始/終了年度
2005~2009年
キーワード(日本語)
ブナ,森林衰退,植生モニタリング,林床植生,絶滅危惧植物,環境計測
キーワード(英語)
BEECH (FAGUS CRENAT), FOREST DECLINE, VEGETATION MONITORING, UNDERSTORY SPECIES, ENDANGERED SPECIES, ENVIRONMENTAL MEASUREMENT

研究概要

ブナ林は日本の冷温帯の代表的極相林で、生物多様性豊かな地域として保全されているところも多いが、最近では各地でブナ林衰退が報告されている。しかし、ブナ林の健全(衰退)度評価、樹木活性、植生状況、環境要因等の調査項目や方法は地域で様々であり、全国的な衰退状況把握および原因検討は行われていない。本研究では、ブナ林域における全国展開可能かつ効率的な総合植生モニタリング手法を開発する。特に、衰退地域以外でも適用可能なブナ林生態系の健全度に関する総合調査マニュアル(案)を作成すること、ブナ林を有する多くの都道府県が参画する総合植生モニタリングネットワークを構築することを目標とする。本研究成果は衰退ブナ林の保全・再生施策に寄与し、また地球温暖化影響把握等のための広域植生モニタリングにも有用と考えられる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

山岳地帯ブナ林に適した衰退状況評価方法の検討(17〜20年度)。簡易計測を含めた効率的な樹木活性評価・環境計測方法の検討(17〜20年度)。絶滅危惧植物種や地域的孤立個体群を含む林床植生等に着目した種多様性評価方法の検討(17〜20年度)。全国的展開に向けた総合植生モニタリングネットワーク構築の推進(18〜21年度)。ブナ林域における総合植生モニタリング手法の開発/総合調査マニュアル(案)の作成(19〜21年度)。

今年度の研究概要

今年度からはC型共同研究として、神奈川県丹沢、福岡県英彦山・古処山・脊振山、埼玉県奥秩父雁坂、岡山県二上山・大平山のブナ林域を主対象として研究を行う。(1)複数の調査区でブナ林の衰退度評価を比較検討し、またこれまでの衰退度評価法を整理し、山岳地帯における評価手法を検討する。(2)林床植生・着生植生や絶滅危惧植物・地域孤立個体群に着目して植生調査を実施し、種多様性指数と絶滅危惧植物出現頻度等について解析する。(3)ブナの水分生理活性やオゾン・土壌水分等の環境要因の簡易計測手法の現地検討および実験的検討を行う。(5)神奈川県・福岡県・埼玉県・岡山県・福井県・富山県等の関連研究者とブナ林域衰退調査マニュアルについて議論し、また全国的展開に向けたネットワーク構築を推進する。

備考

共同研究機関:神奈川県環境科学センター(武田麻由子・相原敬次)・福岡県保健環境研究所(須田隆一)・埼玉県環境科学国際センター(三輪誠・小川和雄)・神奈川県自然環境保全センター(山根正伸・田村淳・越地正)・岡山県自然保護センター(西本孝)・福井県自然保護センター(多田雅充・水谷瑞希)・富山県林業技術センター(安田洋・中島春樹)

関連する研究課題
  • : アジア自然共生研究グループにおける研究活動

課題代表者

清水 英幸

担当者

  • 矢ヶ崎 泰海
  • 伊藤 祥子