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分子マーカーを用いたイネ品種のオゾン影響評価手法の開発に関する研究(平成 19年度)
Studies on development of methods for impact assessment of ozone on rice cultivars using molecular markers

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0607AF961
開始/終了年度
2006~2007年
キーワード(日本語)
大気汚染,オゾン,イネ,分子マーカー,環境影響評価
キーワード(英語)
Air pollution, Ozone, Rice, Molecular marker, Environmental impact assessment

研究概要

 対流圏オゾンが地球規模で増加しつつあり、食糧生産への影響が危惧されている。イネは各地域で多様な品種が栽培されているが、オゾンによる減収の品種間差が大きいと報告されている。しかし、品種ごとの収量影響の調査には大型設備と長時間を要する。そこで本研究では、短期オゾン暴露を行った植物や野外栽培中の植物を用いた簡便迅速な影響評価手法の開発のため、イネ主要品種の生体内分子の含有量やオゾン暴露時の変化を調べて品種間差を明らかにし、減収の指標となる分子マーカーを見いだすことを目標とする。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

 本研究は、イネ主要品種の生体内分子の含有量やオゾン暴露時の変化を調べて品種間差を明らかにし、この結果を電力中央研究所において別途実施されるイネ主要品種の収量に及ぼすオゾン影響の調査結果と照合することにより、分子マーカーを調べてオゾン影響を予測・評価する手法の開発に必要な情報を得ようとするものである。次の二つのアプローチで減収の指標となる分子マーカーを探索する。1)室内短期暴露実験による収量影響予測手法の開発に関する研究。2)野外栽培中の植物診断による収量影響評価手法の開発に関する研究。

今年度の研究概要

 1)室内短期暴露実験による収量影響予測手法の開発に関する研究。多品種のイネ幼苗にオゾンを短期暴露した後、タンパク質とRNAを抽出し、二次元電気泳動やPCR、マイクロアレイなどの手法で分析し、個々のタンパク質や転写産物の含有量やオゾン暴露時の変化を品種間で比較する。この結果をイネ品種の収量に及ぼすオゾン影響の調査結果と比較することにより、減収の程度と相関のある含有量やオゾン応答性を示す分子マーカーを探索する。2)野外栽培中の植物診断による収量影響評価手法の開発に関する研究。電力中央研究所のオープントップチャンバーを用いて実施されている野外オゾン暴露実験において生育中のイネをサンプリングし、1)と同様に分子マーカーを品種間で比較するとともに、減収と相関のある分子マーカーを探索する。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動(生物圏環境研究領域)

課題代表者

久保 明弘