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多成分揮発性・半揮発性有機化合物測定装置の高速化・高感度化(平成 19年度)
Development of a proton transfer reaction - time-of-flight mass spectrometer for real-time measurement of volatile organic compounds

予算区分
NA 寄付
研究課題コード
0607NA994
開始/終了年度
2006~2007年
キーワード(日本語)
陽子移動反応,飛行時間型質量分析計,揮発性有機化合物
キーワード(英語)
proton transfer reaction, time-of-flight mass spectrometer, volatile organic compound

研究概要

昨今の日本における大気汚染の状況は、浮遊粒子状物質(SPM)に係る環境基準の達成率の低下が見られ、また、都市近郊におけるオキシダント濃度が再び増加していることが報告されている。大気汚染の原因物質の一つである揮発性有機化合物(VOCs)は多種多様で反応性の高い化合物を含むため、従来のVOCs一括りではなく各VOCsの反応性を考慮したオゾン生成能や二次粒子生成能を考慮することが重要である。本研究では、多成分揮発性・半揮発性有機化合物測定装置(陽子移動反応−飛行型質量分析計)の高速化・高感度化を行ない、またSPM中の有機化合物の測定に応用する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究では、大気中揮発性・半揮発性有機化合物測定装置、陽子移動反応−飛行時間型質量分析計(PTR-TOFMS)の高速化・高感度化を行ない、SPM中の有機化合物の測定に応用する。まず、装置の高速化・高感度化についてであるが、本装置は、(1)フラグメンテーションの少ないソフトイオン化を用いている、(2)飛行時間型質量分析計では多成分を同時に測定できる、という大きな長所をもっているが、欠点としては、パルス電圧をかけていない間はせっかく生成したVOCsのイオンを捨てている点である。この欠点を克服するため、(1) パルス電圧印加の高繰り返し、(2) イオンシグナルの高速読み出しを行う。その後、エアロゾルのソフト蒸発導入部を開発し、本装置と組み合わせ、半揮発性有機化合物(SVOCs)にも検出感度があるという本装置の特徴を生かして、SPMの一因でもある有機エアロゾルの化学成分分析を行う。

今年度の研究概要

本年度は、有機化合物を高選択的に検出でき、かつ、有機化合物の多成分を同時に測定することができる特徴をもつ陽子移動反応−飛行時間型質量分析装置(PTR-TOFMS)を用いて、浮遊粒子状物質内の有機成分の分析への応用手法を開発することである。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動(大気圏環境研究領域)

課題代表者

猪俣 敏

  • 地球システム領域
    地球大気化学研究室
  • 主席研究員
  • 博士(理学)
  • 理学 ,化学
portrait

担当者