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伊勢湾流域圏の自然共生型環境管理技術開発(平成 19年度)
Watershed environment management based on the coexistence with nature in Ise Bay

予算区分
CB
研究課題コード
0608CB936
開始/終了年度
2006~2008年

研究概要

都市-農村共生社会における水・物質管理評価システム開発流域圏の生態系サービスの劣化を水・物質循環系の変化過程の視点から検討し、水・物質・植物生態系の3者の相互作用系の理解を深め機構モデルを構築し、生態系サービスの機能評価を行う。陸域生態系が浅海域環境に及ぼす影響と、河川河口域における塩生湿地・干潟及び藻場の水文地形学及び景観生態学的なユニット構造を抽出し、ユニット毎に一次生産や分解速度等の物質循環機能と生物分布・群集構造を明らかにして生物多様性の実態と生態系機能への人為影響を評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

伊勢湾流域圏の山〜川〜海での水・物質・植物生態系の動態の時系列的情報データベースを構築するとともに機能評価モデルを開発する。特に、流域圏生態系が様々な空間スケールより構成されていることに鑑み、衛星モニタリング情報というマクロ俯瞰的な視点、流域圏物質収支を検査するに適した県市レベルのメソスケール的視点,将来の政策展開を見据えた1kmオーダのミクロ的視点の観点からデータベース構築とモデル開発を進める。流域環境情報の整備と水・物質循環系の経年変化過程の記述の進展に合わせて、個々の生態系サービス評価の機構モデルが内包する定数と個体から景観に至る生態系スケールとの関係を検討し、生物多様性の指標と生態系サービス評価とを関係を明らかにするとともに水・物質循環の観点から自然共生度の程度を評価するモデルを開発する。生態系の遷移に影響を及ぼす土砂堆積等の環境要因を特定し、上流における人為かく乱の影響を評価する。これらを基に、都市-農村共生社会における水・物質管理評価システム開発流域圏の生態系サービスの機能評価を行う。

今年度の研究概要

伊勢湾流域圏の土地利用等の流域改変に伴う水・物質循環系の経年変化を時系列的に抽出するための衛星センサーを特定し、土地利用等の伊勢湾流域圏の衛星画像を整備するとともに、地理情報システム(GIS)上で環境情報データベースの構築を行う。食料供給・移動の観点から伊勢湾流域圏における物質動態および水利用・処理量の経年変化に関するデータベースを、物質収支理解に適した検査領域(流域,複合領域,市町村レベル等)内で構築する。櫛田川・雲出川河口域の1940〜2000年代の航空写真を収集し過去からの変遷を把握する。櫛田川・雲出川河口域において、塩生植物の群落区分図の作成、ハマボウ等の生育環境の調査、底生動物相及び群集構造の調査を行う。伊勢湾の三重県側の主な河川における流入水量を把握し、浅海域及び河口域に分布する海藻植物相を調査し種毎の炭素・窒素安定同位体比を明らかにする。二枚貝再生に資する環境修復技術の検討として、櫛田川河口においてノリ網を用いた流動変化と二枚貝稚貝の着底率、成長速度、生残率の関係を検討する。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動(水土壌圏環境研究領域)

課題代表者

木幡 邦男

担当者