ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

アジアの大気環境評価手法の開発(平成 19年度)
Development of Evaluation Methods of Atmospheric Environment in Asia

予算区分
AA
研究課題コード
0610AA401
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
アジア,大気環境,環境評価手法
キーワード(英語)
ASIA, ATMOSPHERIC ENVIRONMENT, ENVIRONMENTAL EVALUATION METHOD

研究概要

エアロゾルおよびガスの大気汚染物質と黄砂の地上観測、航空機観測、ライダーネットワーク観測等を行い、国際的にも観測の連携を進めるとともに、モデルと排出インベントリの精緻化を進めて、観測データ・モデル解析の両面から日本国内を含むアジア地域の大気環境施策立案に必要な科学的知見とツールを提供する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

以下の3つのサブテーマについて研究を進める。
(サブテーマ1:アジアの広域越境大気汚染の実態解明)沖縄辺戸ステーションをベースにした地上通年観測による、長距離輸送されたガス・エアロゾルの解析を行うとともに、辺戸を中心として対流圏大気変化観測の連携を進める。また、航空機観測による広域汚染分布の解明とモデルとの突き合わせを行って、東アジア地域全体の広域大気汚染の実態把握を行う。さらに大気観測の国際協力を推進し、これによるアジア域の大気環境のデータベース化を行う。
(サブテーマ2:アジアの大気環境評価と将来予測)マルチスケール大気汚染モデルと化学気候モデルを開発し、観測データをもとに検証するとともに、観測データや数値モデルを用いて大気汚染物質の排出インベントリを改良する。開発・改良したモデルと排出インベントリおよび観測データベースを活用して、アジア広域から国内都市域における大気汚染の全体像を把握する手法を確立する。更に、将来シナリオに基づく排出予測結果と化学気候モデルを使って、2030 年までのアジアの大気環境(気候と大気汚染)変動を予測する。
(サブテーマ3:黄砂の実態解明と予測手法の開発)東アジア地域で増大している黄砂の発生から輸送・沈着を把握するための、ライダーを中心とするリアルタイム観測ネットワークを展開・整備すると同時に、化学分析のための黄砂サンプリングも行う。これらのリアルタイムデータをモデルに取り込むデータ同化手法を確立し、黄砂予報モデルの精度を向上する。また、黄砂による汚染物質の変質過程をモデリングする。最終的に、砂漠化や気候変動などによる黄砂の将来変動を予測する。   

今年度の研究概要

(1)越境大気汚染の実態を解明するために、沖縄辺戸岬ステーションを充実させ、多成分・連続観測を継続するとともに、中国等の研究機関と共同して中国沿岸地域での地上観測と、東シナ海上空での航空機観測を実施する。国内外の観測データを集積したデータベースの構築に向けた作業を開始する。
(2)アジア地域の排出インベントリと大気質モデルを開発し、観測データを用いて検証し、広域大気汚染の空間分布、過去四半世紀における大気質の経年変化、越境大気汚染による日本へのインパクトを評価する研究を継続する。アジア地域の気候・大気質変動を評価するために、全球化学気候モデルを用いた解析を進める。大気質モデルと観測データを用いて、排出インベントリを検証・修正する手法の開発を継続する。
(3)ライダーを中心とする黄砂のモニタリングネットワークを更に整備すると共に、観測データベースの設計を継続する。特に本年は、モンゴル国においてJICAとの連携によるモニタリングステーション4カ所(ウランバートル、サインシャンド、ザミウード、ダランザドガド)の完成を目指す。

課題代表者

大原 利眞

担当者