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環境健康研究領域における研究活動(平成 20年度)
Research Activities of the Environmental Health Sciences Division

研究課題コード
0610FP014
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
ナノマテリアル,健康影響,リスクアセスメント,疫学,分子メカニズム,大気汚染,環境化学物質,スクリーニング
キーワード(英語)
NANOMATERIALS, HEALTH EFFECTS, RISK ASSESMENT, EPIDEMIOLOGY, MOLECULAR MECHANISM, AIR POLLUTION, ENVIRONMENTAL CHEMICALS, SCREENING

研究の性格

  • 主たるもの:-
  • 従たるもの:

全体計画

環境健康研究領域では、国民の心身の安全と安心を守るために、環境化学物質や大気汚染物質等の種々の環境ストレスを対象とし、それらが及ぼす健康影響を的確かつ速やかに評価する。また、影響発現のメカニズムを明らかにし、得られた知見をフィードバックすることにより、簡易・迅速で、かつ、感度と特異度に優れた曝露・影響評価手法の開発・改良をめざす。分子、細胞、組織、動物、ヒト(疫学)レベルで、これらの取り組みを総合的に推進することにより、健康影響発現の未然防止をめざした施策に資する科学的知見を蓄積する 
分子細胞毒性研究室:環境化学物質が免疫系をはじめとする生体機能に及ぼす影響の分子メカニズムを明らかにし、影響の裏づけや評価に資することを目標とし、研究を遂行する。有害環境化学物質を曝露した実験動物や細胞において、遺伝子発現変化のデータを手がかりとして、影響経路や影響の原因遺伝子を探索し、作用の分子メカニズムを明らかにする研究を行う。また、影響検出指標として有効な遺伝子を明らかにし、有害化学物質の効率的な影響評価法を確立するための研究を行う。さらに、転写因子の機能やエピジェネティクスの関与に着目して研究を行う。
生体影響評価研究室:高感受性集団や高感受性影響を対象とし、高感度で環境ストレスの健康影響を評価することを目標とし、動物モデル等を用いた影響評価手法の開発、応用とそれによる影響評価の実践、検証、維持を遂行する。特に、環境化学物質が免疫・アレルギー系を中心とする高次機能に及ぼす影響を明らかにし、影響を簡易に評価することが可能なin vivoモデルを開発することをめざす。さらに、その短期化、簡便化を図るとともに、in vitro評価モデルの可能性を検討する。また、ナノ粒子やナノマテリアルの健康影響を明らかにし、その特性やメカニズムを検討する。
総合影響評価研究室:環境ストレスの健康影響を体系的、総合的に理解・評価するため、分子、細胞、組織、動物、ヒト(疫学)と多岐にわたる環境影響評価研究を遂行する。特に、環境汚染物質に関連する疫学研究、培養細胞とナノテクノロジーに関連した評価系の開発を担当する。これらの結果の体系化、総合化により、新たな健康影響評価手法の開発をめざす。
環境疫学研究室:一般環境において人々が種々の環境因子に曝露され、その結果として発生する健康リスクを疫学的手法によって解明することを目標とし、評価手法の開発、検証、維持、実践を遂行する。

今年度の研究概要

本年度は、環境汚染物質による健康影響の中でも、免疫・アレルギー系や呼吸器系への影響等に重点を置き、抗原提示細胞やリンパ球等の免疫担当細胞を用いた評価手法の開発と改良並びに影響メカニズムの解明、無機ヒ素をはじめとする環境汚染物質のエピジェネティクス作用の検索と影響メカニズムの解明を推進する。また、培養細胞(擬似組織)を用いた呼吸器系を主たる対象とした影響評価手法の高度化を進め、微小粒子状物質の環境健康影響に関する疫学的評価と評価手法の体系化、温暖化の危険性水準情報の高度化とともに積極的な発信を進める。これらを通じ、環境健康影響の未然防止に資する科学的知見を蓄積する。

課題代表者

高野 裕久