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過去の気候変化シグナルの検出とその要因推定(平成 20年度)
Detection of historical climate change signals and attribution of their causes

予算区分
AJ リーダー調整
研究課題コード
0610AJ001
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
気候変動,統計解析,温暖化要因推定
キーワード(英語)
CLIMATE VARIABILITY, STATISTICAL ANALYSIS, ATTRIBUTION OF CLIMATE CHANGE

研究概要

気候モデルによる地球温暖化予測の信頼性を向上させるためには,現在の平均的な気候状態を現実的に再現するだけでなく, 過去の気候変化についても尤もらしく再現することが重要となる.また, 再現された気候変化が, 気候の内部変動に起因するのではなく, 温室効果気体の増加などの外的な気候変動要因に起因することを統計的に有意に示すことは, 地球温暖化研究を支える意味でも大変重要である. このような観点から, 本研究課題では, 十年以上の時間スケールを持つ長期気候変化のメカニズム解明に資するために、様々な気候変動要因を考慮した複数の20世紀気候再現実験結果と長期観測データとを比較解析することにより、観測された長期気候変化シグナルを検出しその要因を推定することを目的とする.

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

様々な気候変動要因を切り分けた場合の20世紀気候再現実験のアンサンブルメンバー数を10程度まで増やし, 気候変化シグナルの検出とその要因推定を行う. 対象となる変数としては, 地上気温や対流圏中・上層の気温, 海洋表層の平均水温などの気候要素に限らず, エアロゾルの光学的厚さなどの化学的な要素や, 極端な気象現象を表す指標なども対象とする. また, 異なる気候感度を持つ複数の気候モデルによる20世紀再現実験などの様々な実験結果を解析し, 気候変化シグナルの検出および要因推定結果と気候感度との関係に関する知見を得る. さらに, 炭素循環や化学過程なども考慮した地球システム統合モデルによる20世紀気候再現実験を行い, これらの過程のインパクトを評価する.

今年度の研究概要

気候モデルによる20世紀気候再現実験の出力データを活用し、地上気温や陸域降水量、海洋表層水温、極端な気象現象の指標などの再現性等について解析を行う。特に、観測された陸域降水量の長期変化の原因について詳細に調査する。また、気候感度の異なる気候モデルによるシミュレーション結果の相互比較や、様々な気候変動要因を仮想的に与えた実験および過去1000年程度の再現実験のデータ解析を通して、自然起源の気候変動要因に対する気候応答の不確実性に関する知見を得る。

課題代表者

野沢 徹

担当者