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ライダーおよび地上モニタリングネットワークによるエアロゾル動態解明(平成 20年度)
Study on distribution and movement of aerosols in East Asia using lidars and ground-based observation network

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0812CD003
開始/終了年度
2008~2012年
キーワード(日本語)
ライダー,エアロゾル
キーワード(英語)
lidar, aerosol

研究概要

ライダーネットワーク、地上観測データと地域化学輸送モデルを用いてエアロ ゾル分布と動態を把握し、地域毎のエアロゾル種、エアロゾル濃度の気候学的な特徴、イベン ト毎のエアロゾル濃度変化などを明らかにして、植物影響、健康影響研究と連携することを目 的とする。特に気象条件に依存する高い時間分解能のエアロゾル濃度分布の変化に注目し、植物影響、健康影響の指標となるパラメータと時間スケールを検討する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

既存のライダーネットワークデータを利用するとともに、ネットワークの主要な数地点のライダーに改良を加え、現在の2波長(532nm, 1064nm)の後方散乱と偏光解消度(532nm)の測定に加えて、532nmのラマン散乱が測定できるようにする。ラマン散乱を含む連続観測を行い、大気汚染性の水溶性エアロゾル、煤、黄砂、海塩を分離してそれぞれの濃度分布(消散係数分布)を推定する。
一方、通年観測が可能な山岳部でエアロゾルパーティクルカウンタによる連続観測を行なうとともに、既存の大気汚染モニタリング局のSPMデータ等を収集する。これによって、エアロゾルイベント毎に、長距離輸送における山岳の影響や自由対流圏と大気境界層の間の輸送の解析を行う。
これらの観測データと高分解の領域化学輸送モデルCFORSを用いて、イベント毎のエアロゾルの発生、輸送の特徴を解析し、気象条件との関係を考察する。また、様々な空間、時間スケールのエアロゾルの変動を解析する。

今年度の研究概要

既存の20地点のライダーネットワークのうち、つくば、辺戸岬、ソウルの3地点について、ラマン散乱受信システムを追加し、532nmの窒素分子のラマン散乱(607nm)を自動連続観測できるよう整備する。これによって、532nmのエアロゾル消散係数が後方散乱係数と独立に測定する。ラマン散乱データを含めたエアロゾル解析アルゴリズムを整備し、既存のライダーネットワークデータと合わせて解析を行う。ラマン散乱データは夜間のみ有用であるが、これによって、水溶性エアロゾル、ブラックカーボン、黄砂、海塩の分布を推定する。
一方、高分解能の領域化学輸送モデルCFORSを、気象庁の数値予報データを境界値として国立環境研究所において定常運転する。
この他、大気汚染モニタリング局のデータ、中国の大気汚染指数(API)のデータを定常的に収集し、解析に利用できるシステムを整備する。

関連する研究課題

課題代表者

杉本 伸夫

担当者