- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0709CD582
- 開始/終了年度
- 2007~2009年
- キーワード(日本語)
- 大気・海洋間CO2フラックス,生物地球化学モデル,4D変分データ同化,輸送モデル,インバースモデル
- キーワード(英語)
- AIR-SEA CO2 FLUX, BIOGEOCHEMICAL MODELING, 4D-VARIATION, TRANSPORT MODEL, INVERSE MODELING
研究概要
本研究の主な目的は、大気・海洋間の二酸化炭素(CO2)交換過程とその量を、自然界起源及び人為的に生じたCO2を考慮し、より正確かつ効率的に推定することである。CO2は温室効果ガスの一種であり、その量が増加することで地表面付近の平均気温が上昇し、地球温暖化を招く要因となる事が知られている。一方で、海洋・大気間のCO2交換量はバランスを保っており、総体的に海洋はCO2の吸収源となる傾向がある事が知られている。しかし、人為的に生み出されたCO2によってこのバランスが不安定になる事が危惧されている。本研究では自然的及び人為的な大気・海洋間のCO2の交換の変動を推定し、その推定値の不確実性を低減することで、全球規模での炭素循環の解明に貢献することを目指す。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
CO2海洋輸送モデルの開発(H19年度)。開発した輸送モデルへの海洋炭素塩化学及び海洋生物地球化学サイクルの取り込み、モデル逆計算技術開発、及び大気・海洋間のCO2フラックスデータの統合(H20年度)。温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)からのCO2データ逆計算を行い、大気・海洋間の二酸化炭素循環データを準備。将来における日本近海での二酸化炭素海洋廃棄最適地を検索(H21年度)。
今年度の研究概要
開発したモデルを利用して、北太平洋におけるpCO2の変動をシミュレーションし、北太平洋の空間的かつ時間的な大気・海洋間の二酸化炭素のフラックス変動を特定する。その結果を船舶観測の結果と比較する。また、日本沿岸地域を含む、北太平洋の空間的かつ時間的なpCO2の変動の原因を追究する。それから、先に述べたモデルを改良し、全球規模で大気・海洋間の二酸化炭素フラックスを明らかにする。さらに、大気・海洋の結合型逆計算手法を確立し、このモデルによって算出した二酸化炭素フラックスと実観測値の誤差を最小限にする。また、上記の二種類の手法(1.生態系モデルと炭素化学モデルを取り込んだ海洋輸送モデルと2.逆計算法を用いて二酸化炭素のフラックスを推定する方法)の計算機利用の効率を比較し、大気・海洋間の二酸化炭素フラックスの最適な推定手法を見出す。
課題代表者
Shamil Maksyutov
担当者
-
Vinu K. Valsala