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アテローム性動脈硬化症および骨粗鬆症を指標とするダイオキシン類の老化促進に関する分子生物学的解析(平成 21年度)
The molecular mechanisms of dioxin-like compounds-induced acceleration of the aging process, focusing on atherosclerosis and osteoporosis as the most sensitive indicator of aging

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0909AF002
開始/終了年度
2009~2009年
キーワード(日本語)
ダイオキシン類,アテローム性動脈硬化症,骨粗鬆症
キーワード(英語)
Dioxin-like compounds, Atherosclerosis, Osteoporosis

研究概要

近年、寿命制御遺伝子(Klotho、Fibroblast Growth Factor23 (FGF23))欠損マウスにおける動脈硬化、骨密度低下、寿命の低下など人の老化症状に類似した病態の発見以来、老化メカニズムの研究進展が目覚しい。高齢化社会を迎え、ダイオキシン類と老化との関連性を明らかにすることは毒性学的にも医学的にも極めて重要な研究領域であり、研究の進展が望まれる分野でもある。一方、この分野の研究はほとんどなされていないのが実態である。本研究はダイオキシン類による老化促進作用の病態と機序の解明を目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

ダイオキシン類を実験動物に曝露して老化の典型的な表現系であるアテローム性動脈硬化症と骨粗鬆症を指標として、ダイオキシン類による老化促進作用とその病態のメカニズムを病理組織学的、生化学的、分子生物学的観点から包括的に解析することを目的とする。

今年度の研究概要

(1) 出産後1日目の野生型マウス(C57BL)の母親にダイオキシン(TCDD)15µg/kgを経口投与する。この授乳期TCDD曝露した仔マウスを用いてダイオキシン類の骨粗鬆症とアテローム性動脈硬化症促進作用を調べる。(A)骨粗鬆症解析:腎臓内のビタミンD代謝関連酵素(CYP27B1、CYP24A1)、Klotho遺伝子発現を解析する。さらに、頸骨を用いてFGF-23、破骨細胞・骨芽細胞関連遺伝子発現をリアルタイムRT-PCR法にて解析する。骨形態計測により骨芽細胞、破骨細胞の動態を画像解析法にて解析する。(B)アテローム性動脈硬化症解析:曝露マススの大動脈の病理的、免疫組織学的解析を行い、アテローム性動脈硬化症に関して対照群と比較分析を行う。同時に、炎症マーカーの遺伝子発現をRT-PCRにて解析する。(2)ダイオキシン曝露したKlotho遺伝子欠損マウスを用いて、ダイオキシン類による骨粗鬆症促進作用を解析する。(3)ダイオキシン曝露したApoE遺伝子欠損マウスを用いて、ダイオキシン類のアテローム性動脈硬化症発症の病態と関連性について解析する。(4)以上の実験結果から、アテローム性動脈硬化症および骨粗鬆症を指標とするダイオキシン類の老化促進作用に関して総括する。

関連する研究課題

課題代表者

西村 典子