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水・物質・エネルギーの環境フラックス評価による持続可能な都市・産業システムの設計(平成 21年度)
Strategic policy scenario design for sustainable urban and industrial system based on the integrated environmental flux assessment for water, resource and energy circulation

予算区分
BA 環境-地球推進 H-071
研究課題コード
0709BA514
開始/終了年度
2007~2009年
キーワード(日本語)
環境フラックス,統合環境フラックス分析モデル,水・熱・物質の空間分布,環境シナリオ
キーワード(英語)
Environmental flux, Integrative Environmental Flux Assessment Model, patial Distribution of Water, Heat and Resources, Environmental Scenario

研究概要

都市生活や産業からの温室効果ガスと、環境負荷の発生や移動について空間分布を都市スケールで解析する統合型都市環境解析モデルを構築する。このモデルを中核とし、地域の環境資源を生かすことにより、生活環境や生態系保全などの地域目的と整合しつつ、地球環境保全への貢献を最大化する、都市にとっての技術・政策シナリオのゴールとそこへの道筋を具体的に設計して定量的に評価するシステムを提供する。また、行政や企業などと都市活動と産業施設の共生的連携や、持続可能な都市の将来像と対応策を描く機会を実践する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

産業拠点における循環型産業の地域マテリアルフロー、拠点都市およびその周辺都市圏域における水・物質・エネルギー資源の腑存量、都市活動による環境資源の消費・利用、廃棄物・廃熱等の環境負荷発生分布、その移動・変動を分布型の地域データベースにより階層的に統合するプラットフォームを構築する。
GISデータベース化された環境負荷量と技術・施策オプションの環境改善効果を定量的に算定可能な統合型都市環境解析モデルの開発を進める。また、本システムの評価指標として水資源の供給、熱環境の制御等の諸機能を定量的に算定する枠組みを構築する。また、将来の都市環境シナリオに係る科学的根拠を示すことにより、ステークホルダー間の都市環境の知識と意識の共有を支援し、合意形成の促進するプロセスを設計する。
地下水、河川水、沿岸域海洋を含む都市の水資源と、緑地を初めとする自然環境資源、さらには物質循環拠点としての都市共生型産業拠点施設、上下水道の水循環ネットワーク施設等と環境基盤資源を含む、都市の環境基盤サービスを算定する評価モデルを構築する。

今年度の研究概要

1)都市環境GISデータベースシステムの整備とガイドラインの作成
 前年度までの川崎市における総合的な都市環境GISデータベース(基礎情報、一次加工情報、二次加工情報)に加えて、技術政策シミュレーションの結果のデータベース化を含めた整備を引き続き進める。そのうえで、観測情報、統計情報から地域環境GISデータベースを構築するためのガイドラインの作成を行う。
2)統合的な都市水・熱フラックス解析モデルの機能改善と都市観測ネットワークによる検証
 構築した都市スケールの水・熱・エネルギー代謝特性の解析モデルに加えて、地下熱モデルの追加、モデル間のインタラクションの拡充等の改善を行う。川崎市公害研究所との連携で都市部における環境観測ネットワークを構築してモデルの再現性の向上を実現する。
3)資源循環のマルチスケールモデルの構築
 川崎市とその周辺地域を対象とし、マテリアルフロー・環境影響解析モデル(多地域間モデル)を用いて、地域内の資源循環の広域影響を算定するプロセスを構築する。各都道府県での産業廃棄物の中間処理に関するマテリアルフローの細分化と、業種別種類別に排出される廃棄物の資源化方法別の資源化量、資源化物の業種別投入量等に関するデータを調査・収集を用いたモデルによる実証的な評価を行う。
4)環境改善技術・政策インベントリ構築と将来シナリオの構築
 低炭素化社会と持続可能な都市を実現するために、都市熱環境緩和技術の要素技術・政策とステイクホルダとの対応関係を明らかにし、技術・政策インベントリの構築と技術・政策の選定、エネルギー削減およびCO2排出量を低減する技術政策を設計してその効果の算定を行う。

備考

分担研究者として慶應大学,産業技術総合研究所

課題代表者

藤田 壮

担当者