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破砕選別による建設系廃棄物の地域循環システムの設計に関する研究(平成 21年度)
Design of Regional Material Cycle System for Construction and Demolition Waste by Crushing and Separation Technology

予算区分
BE 環境-循環型社会
研究課題コード
0709BE280
開始/終了年度
2007~2009年
キーワード(日本語)
地域循環システム,建設系廃棄物,破砕選別技術,品質管理,物流,循環度,経済性
キーワード(英語)
REGIONAL MATERIAL CYCLE SYSTEM, CONSTRUCTION AND DEMOLITION WASTE, CRUSHING AND SEPARATION TECHNOLOGY, QUALITY MANAGEMENT, LOGISTICS, MATERIAL CYCLE EFFICIENCY, ECONOMICAL EFFICIENCY

研究概要

3Rをベースとした循環型社会の構築にあたり、特に廃棄物発生量の多くを占める建設系廃棄物・副産物をメインのターゲットとし、それらを取り扱う破砕選別技術に着目した地域循環システムの構築に関する提案を行う。これにより、資源生産性と循環利用率を向上させ、最終処分量を低減させる社会の実現を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

(1)対象地域について、建設系廃棄物・副産物等のマテリアル・サブスタンスフローをデータベース化し、施設位置や処理費用より廃棄物・循環資源の物流を模擬する地域フロー・費用評価モデルを作成する。
(2)破砕による単体分離の理論的指標を示し、乾式技術として機械的粉砕や電磁力、湿式技術として水中爆砕や水中電気破砕、残さに対して流動層分離法の適用性を評価する。また、発生源と外観よる搬入物の性状と、産物の逐次分解試験法により安定性、陸生動物の忌避性試験等で環境安全性、ならびに発熱量や強度等の資源利用可能性により、技術の性能を評価する。
(3)対象地域について、環境安全性が高い技術構成を求め、それを導入した事例について、地域フロー・費用評価モデルにより、循環利用率等の循環度を、建設・維持管理費用等により経済性を評価する。

今年度の研究概要

(1) 建設系廃棄物の地域フロー・費用評価モデルの開発:産業廃棄物等の発生や産業の構造が異なる地域を複数設定し、建設系廃棄物・副産物等の発生源から破砕選別施設を経由するとともに、再利用・最終処分へ向かうマテリアルフローをデータベース化した上で、発生源や施設の位置や処理費用より廃棄物・循環資源の物流を模擬するモデルを作成する。また、重金属等の含有量ならびに形態を、施設入口、工程内および出口において把握してサブスタンスフローをモデルに組み込む。

(2) 新しい破砕選別技術の適用性と導入効果の評価:発生源と外観より搬入物の性状を判定する。素材の破砕による単体分離の理論的指標を示し、乾式技術として機械的粉砕や電磁力の単体分離性能を明らかにする。湿式技術として、水中爆砕、水中電気破砕の適用可能性を検証する。また、残さに含まれる木片等の軽量小粒子と砂状粒子を分離する流動層分離法の適用性を評価する。導入前後の残さ等に対して、酵素処理等の前処理と生分解試験を組み合わせた逐次分解試験法により安定性を、ミミズ等の陸生動物を直接廃棄物に曝露する忌避性試験等で環境安全性を、また、発熱量や強度、異物混入率等により資源利用可能性を評価する。以上により、資源回収率を向上させる新しい破砕選別技術を位置付ける。

(3) 建設系廃棄物の地域循環システムの設計:事例対象地域について、現況および将来シナリオの元、破砕選別に流入する廃棄物の質および量を評価し、(2)で評価した新技術を含め、環境安全性が高い技術構成を求める。得られた技術構成を既存施設または新たな拠点に導入した事例について、(1)で開発した地域フロー・費用評価モデルにより物流の最適化を図りながら、マテリアル・サブスタンスフローの変化を推定し、循環度を評価するとともに、建設・維持管理の費用、循環資源の市場価値、最終処分費用等により経済性についても評価する。

備考

共同研究機関:早稲田大学,東京大学,北海道大学,龍谷大学,秋田県立大学,埼玉県環境科学国際センター,日本工業大学,復建調査設計株式会社

関連する研究課題

課題代表者

山田 正人

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 室長(研究)
  • 京都大学博士(工学)
  • 工学,生物工学,化学工学
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担当者