- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0810CD011
- 開始/終了年度
- 2008~2010年
- キーワード(日本語)
- rRNA,溶存態有機炭素,放射性炭素,分子レベル放射性炭素分析,バイオマーカー,古細菌,加速器質量分析計
- キーワード(英語)
- rRNA, DOC, radiocarbon, CSRA, biomarker, archaea, AMS
研究概要
本研究では、海洋DOC 炭素の短期的な炭素循環に果たす微生物の役割を明らかにすることをめざし、微生物のrRNA、細胞膜脂質分子の放射性炭素(14C)同位体比測定のための分析化学的、分子生物学的手法の検討からなる。試料は、北太平洋・北極海から採取し、微生物バイオマスの14C測定を行い、表層海水に生息する微生物の炭素源について明らかにする。さらに14C によるマスバランスモデルを用いて、微生物が用いる炭素のターンオーバー時間を求め、海洋表層の一次生産量と従属栄養・独立栄養として微生物バイオマスが果たす役割について定量的に解明する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
平成21年度は以下に示す(A),(B), (C)の項目に重点を置いた研究を実施する予定である。
(A)研究試料の採取
A-1)深層水中微生物バイオマスの大量試料採取
国内深層水くみ上げ施設(候補地として静岡県沼津市,沖縄県久米島など)で、作成済の大量ろ過装置を使用した水深500〜700 m程度の深層海水大量ろ過を実施し、分析サンプルとする。また、今年度は、自立式現場海水濾過装置(Maclane社製)をA-2)調査航海に搭載し、北極海カナダ海盆での、特定水深海水の現場大量濾過を実施する。
A-2)表層海水中微生物バイオマスの大量試料採取(内海・内田が実施)
乗船研究計画が採択され乗船が確定しているMR09-04 北極海航海(H21.9-H21.10)で表層海水他の大量ろ過を実施し、分析サンプルとする。全てのフィルター試料は、ろ過後冷凍状態で保存し、下船後実験室において分析を行う。
(B)分析方法の確立および試料分析
(A)で採取する各サンプルおよびこれまでの航海で採取済のサンプルに関して、以下の項目の分析・解析を実施する。
B-1)微生物rRNA・DNAの抽出・精製・濃縮・純度チェック(内海が実施)
B-2) 微生物膜脂質分子の大量抽出・精製・濃縮・純度チェック
B-3) rRNA、GDGTs の14C 測定のための前処理の検討
B-4) 海水中DOC 炭素、DIC 炭素の14C 分析
(C)微生物バイオマス(rRNA、細胞膜脂質分子)と群集構造組成,DOC,DIC の14C の測定と、表層海水に生息する微生物の炭素源とその代謝(従属・独立栄養)についての解明
今年度の研究概要
今年度は昨年度に引き続き、以下の分析を行う。
1)微生物rRNA・DNAの抽出・精製・濃縮・純度チェック
2) 微生物膜脂質分子の大量抽出・精製・濃縮・純度チェック
3) rRNA、GDGTs の14C 測定のための前処理の検討
4) 海水中DOC 炭素、DIC 炭素の14C 分析
備考
研究代表者:筑波大学大学院生命環境科学研究科 准教授 内海真生
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動
課題代表者
内田 昌男
- 地球システム領域
動態化学研究室 - 主幹研究員
- 博士(農学)
- 化学,地学,理学