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受容体AhRの転写活性化を伴わないダイオキシン類の新たな毒性発現メカニズムの解明
ーダイオキシン曝露マウス尿管の形態と機能の解析ー(平成 21年度)
Elucidation of novel mechanism for the toxic manifestation mediated by the nongenomic pathway of aryl hydrocarbon receptor: Histopathological and functional analysis of dioxin-exposed mouse ureter

予算区分
MA 委託請負
研究課題コード
0909MA005
開始/終了年度
2009~2009年
キーワード(日本語)
AhR,水腎症,Cox-2,ダイオキシン
キーワード(英語)
AhR, hydronephrosis, Cox-2, dioxin

研究概要

本研究では、新しく提唱された”AhRのノンジェノミック経路”がダイオキシンの毒性現象にどのように関与するかを、ダイオキシン曝露によるマウス新生仔の水腎症を実験モデルとして、解明する。ダイオキシン曝露による水腎発症に必須であり且つ”AhRのノンジェノミック経路”の構成分子であるとされるCOX-2と実際の症状を結ぶ分子実態を明らかにするために、COX-2活性化の引き起こすと考えられるサイトカイン産生量の網羅的に解析と、尿管の形態と機能の解析を行い、”AhRのノンジェノミック経路”の作用点を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

”AhRのノンジェノミック経路”に含まれる 細胞質型ホスホリパーゼcPLA2 ならびに 受容体型チロシンキナーゼcSrc が毒性発現に及ぼす影響を調べるために、cPLA2欠損マウスおよびcSrc阻害剤PP2投与マウスを用いてダイオキシン曝露実験を行う。また、水腎症発症に関係する指標として、COX-2遺伝子の発現レベル(リアルタイムPCRで定量)とプロスタグランジン産生量(ELISA法)の測定とHE染色による組織学的解析を行う。尿管と腎臓の組織学的解析を行い、尿管機能に影響を与える構造の変化を解析する。

今年度の研究概要

マウスにダイオキシン曝露(ダイオキシンとして2,3,7,8-TCDDを10 g/kg体重の用量)を行う。尿管と腎臓の組織学的解析を行い、尿管機能に影響を与える構造の変化を解析する。また、AhR野生型マウスに対する経母乳曝露実験を行い、出産後3〜11日齢の曝露動物の尿管内圧力を計測し、尿管による尿排出メカニズムへの影響を調べる。
尿管組織の横断面の組織学的解析により層構造の変化の有無の解明と、腎臓縦断面の組織学的による腎臓・尿管接合部の形態以上の有無の解明を達成目標とする。

備考

本研究は平成21年度 環境研究・技術開発推進費(代表遠山千春)のサブテーマ3の委託請負研究である。

課題代表者

西村 典子