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発がん性評価と予測のための手法の開発(平成 22年度)
Development of the prediction method for the carcinogenicity evaluation

予算区分
AK リスクセンター
研究課題コード
0610AK544
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
発がん性,環境試料,予測
キーワード(英語)
CARCINOGENICITY, ENVIRONMENTAL SAMPLES, PREDICTION

研究概要

化学物質曝露による発がん作用等の有害作用のリスクを把握するために、トランスジェニック動物、バクテリア、動物培養細胞等を用いた測定法を活用して、環境中の化学物質や混合汚染物質などの有害性を簡便に評価するための基礎的研究を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

1:発がん性の評価やリスクに関する情報の収集
  環境中の化学物質の発がん性への寄与を把握するための手法開発に関する研究の一環として、既存の試験結果や評価結果を収集し、発がん関連活性の算出方法や試験手段などについて検討する。具体的には、既存の発がん試験結果情報(中期発がん試験、IARC,NTPでの試験結果など)を収集し、イニシエーションとプロモーション作用などに分けてデータを整理し、より簡便なin vitro assayなどから発がんリスクが推定(算出)可能か検討する。

2:代表的化学物質の発がん関連活性に関する検討
  環境中の代表的汚染物質の発がん作用に関して、がん発生機序や発がんリスクなどを把握するための検討を行う。in vivo(マウス等哺乳動物、ゼブラフィシュ等魚類)や in vitro(Bhas試験での培養細胞、Ames試験でのバクテリア等)特徴を持った試験を組み合わせて実施し、その活性測定値とサブテーマ1の検討結果を参考に発がん性の強さについて検討する。

3:環境試料の発がん関連リスク評価に関する検討
  環境試料等の汚染混合物質又はその画分の発がん性への寄与を把握するため、上記活性(イニシエーション活性、プロモーション活性、発がん関連活性)を測定し、代表的化学物質の当該活性との比較による環境試料の発がんリスク推定の可能性について検討し、各種環境試料の特徴を相互比較する。

今年度の研究概要

昨年度までの解析の結果、様々の化学物質について肝臓と肺において50%発がん率投与量(TD50)と体内変異原性の間に高い正の相関性が認められてことから、他の化学物質や肝臓・肺以外の臓器についても同様の相関性が見られるかを明らかにする。さらに、体内変異原性と発がんのベンチマーク用量(BMD)との比較から、リスク評価への活用を検討する。また、BaPやニトロピレンマウス以外の化学物質についても、肺DNA上のホットスポット(ヒト発がん遺伝子上でも突然変異が発生している特異的な塩基配列)における突然変異頻度を求め、化学物質曝露によるマウス・ホットスポット上の突然変異頻度とヒト発がんのスロープファクター/ユニットリスクを比較し、両者の相関性から化学物質の発がん性を予測する可能性を検討する。

課題代表者

青木 康展

担当者