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温暖化影響早期観測ネットワークの構築(平成 22年度)
Establishment of Early Detection Network of the Global Warming Impacts

予算区分
BY 環境-委託請負
研究課題コード
0610BY572
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
環境モニターリング,MODIS衛星,地上観測システム,温暖化影響
キーワード(英語)
Environment Monitoring, MODIS Satellite, Ground Observation System, Global Warming Impact

研究概要

地球温暖化問題の深刻化、水資源の不足、ミレニアム生態系評価(MA)報告書で警告された環境資源の著しい損失、自然災害による被害などの環境危機を回避するためには、地球規模特に経済が急速に発展しているアジア地域の諸現象を観測によって正確に把握するとともに、観測から得られたデータを用いて将来予測を行うことが必要となる。このような背景を踏まえ、本研究は、衛星・地上観測システムネットワークを中国、モンゴルとの共同研究体制の基で構築し、広域的な高精度の観測データや将来予測モデルを成果として、温暖化が環境資源の劣化や食料生産に与える影響を評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

アジア地域において、土地被覆や植生、水循環の変化など、地球温暖化影響の監視、評価、及び観測情報提供を行うシステムを構築するため、中国科学院・モンゴル科学院と協力し、APEIS(アジア太平洋環境イノベーション戦略プロジェクト)(平成14-16年度)、平成18-22年度温暖化影響早期観測ネットワークの構築調査において構築された、ウルムチに設置されている衛星受信システム、(独)国立環境研究所(NIES)に設置されている衛星データ解析システム及び地上統合観測システム7地点(中国5、モンゴル2、計7地点)からなる早期観測ネットワークの維持管理を行い、東アジア地域をカバーできる衛星観測データと7つの代表的なサイト(畑地、水田、草原、森林、砂漠、森林凍土、草原凍土)での地上観測データを取得する。

今年度の研究概要

1)東アジア地域の環境資源モニタリング
  中国新疆ウイグル自治区のウルムチ近辺に設置している(EOS/MODIS)衛星受信システムの維持管理を行い、それによる広域の衛星観測を継続的に行う。また、中国、モンゴル(中国5、モンゴル2、計7地点)に構築した陸域生態系モニタリングシステムの保守管理を行い、衛星データ検証用地上観測データを取得する。

2)衛星データ解析システムによるMODIS高次プロダクトの作成:
  受信されたMODIS衛星データを用いて、東アジア地域の土地被覆分布や植生指数など陸域生態系に関する解析データセット(MODIS高次プロダクト)を作成する。そのため、上記の地上観測ネットワークから得られたデータを用いて解析アルゴリズムの検証を行い、必要に応じてアルゴリズムの改良を進める。最終的には、東アジア地域の地表面水分不足指数、陸域生態系の炭素固定量など環境資源の時系列分布図を作成する。さらに、温暖化による氷雪や永久凍土への現時点での影響を検出するため、地表面温度、氷雪被覆、地表面水分不足指数などのMODIS高次プロダクトを用い、永久凍土指数の時系列分布図を作成するアルゴリズムを開発する。

備考

国内共同研究機関:慶応大学
海外共同研究機関:中国科学院地理科学与資源研究所・亜熱帯農業研究所・西北高原生物研究所・新疆生態与地理研究所、モンゴル科学院地理研究所

課題代表者

王 勤学

  • 地域環境保全領域
  • 主席研究員
  • 地球環境学 博士
  • 地理学,地学,農学
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担当者