ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

東アジアにおけるハロカーボン排出実態解明のための高頻度・高精度モニタリング研究(平成 22年度)
A high-frequency and advanced monitoring study for the halogenated greenhouse gas inventory in East Asia

予算区分
BB 環境-地球一括
研究課題コード
0911BB001
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
ハロカーボン,モニタリング,排出量,HFC,HCFC,PFC
キーワード(英語)
halocarbon, monitoring, emission, HFC, HCFC, PFC

研究概要

HFC(ハイドロフルオロカーボン)類やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)類などのハロカーボン類は強力な温室効果気体である。東アジアでは近年の経済的発展に伴い、ハロカーボン排出量が急増していると懸念されている。本研究では、波照間島(沖縄県)と落石岬(北海道)の観測ステーションで、高精度・高頻度のハロカーボンモニタリングを進め、ハロカーボン類の東アジアにおけるベースライン濃度変動と地域別の排出実態を明らかにすることを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

(1)波照間島・落石岬における現行のモニタリング対象化合物のうち、PFC類等8成分について分析条件の改良により測定精度を向上させる。また、これまで測定対象外としていたが、人為使用が広がっている成分(HFC-143aなど)について、新たに標準ガスの入手と分析法の検討を行う。最終的には30種類のハロカーボン(PFC4種、HFC9種、SF6、HCFC5種、CFC6種を含む)について高精度・高頻度モニタリングを可能にする。
(2)波照間島、落石岬の高頻度観測を継続する。データ解析によってハロカーボン類のベースライン濃度の経年トレンドを明らかにすると共に、汚染イベントを利用して地域別のハロカーボン排出特性を把握する。主要なハロカーボン成分については観測濃度をデータベース化し、モデル研究の利用に供する。

今年度の研究概要

波照間島、落石岬におけるハロカーボン類の観測を継続して、東アジアにおけるハロカーボン濃度の変動を把握する。大気輸送モデルを使って波照間におけるハロカーボン(HCFC-22, HCFC-141b, HCFC-142b, HFC-134a, HFC-152a, テトラクロロエチレン)濃度を再現し、ベースライン濃度の変動および汚染イベント季節変動の要因を明らかにする。PFC類を対象にグローバルな排出量の増加傾向と東アジアにおける詳細な排出量分布を解析する。
マルチディメンジョナルGC/MS/ECDによる新しいハロカーボン観測システムを検証するため、実際の大気試料を用いた連続試験観測をつくばにおいて実施する。本分析法の長期安定性を確認した後、落石ステーションにおける測定システムを更新する。これによりPFC-218等の測定精度を向上させると共に、HFC-245faなど新規3成分の観測を開始する。

課題代表者

横内 陽子

担当者

  • 斉藤 拓也地球システム領域
  • 向井 人史
  • Shamil Maksyutov
  • 古山 祐治