- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0812CD007
- 開始/終了年度
- 2008~2012年
- キーワード(日本語)
- 地球温暖化,陸域負荷,サンゴ礁
- キーワード(英語)
- global warming, terrestrial influence, coral reef
研究概要
サンゴ礁は、地球規模(温暖化による水温上昇、海洋酸性化等)と地域規模(陸源負荷等)両方のストレスによって近年急速に衰退していることが指摘されているが、現地の情報は断片的で定量性に欠けている。
地球温暖化、人間居住史、都市化や農林畜産業の構造変化に伴う変化に着目し、客観的なデータ(空中写真、衛星データ、地図、報告書データ、サンゴ年輪解析データ)に基づいて過去100年間のストレス要因とサンゴ礁の歴史的変化を統一的に解析し、ストレスの増加とサンゴ礁の衰退を検証する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
平成21年度:空中写真、衛星画像、地図データを収集して解析を行い、現地調査を行って画像分類の精度検証を行い、100年間の変化を明らかにする。各対象地域でサンゴのコアを収集し、前処理を行う。現地調査を行い、ストレス変化の社会的背景を明らかにする。本研究の打ち合わせ会合を行い、画像チームと年輪チームの情報交換を行う。領域全体会合に参加し、他課題との調整を行う。
平成22年度:マーシャル諸島の空中写真、衛星画像、地図データを収集して解析を行い、現地調査を行って画像分類の精度検証を行い、100年間の変化を明らかにする。各対象地域でサンゴのコアを収集し、前処理を行う。年輪分析により研究対象地域におけるストレス変遷史と年輪密度変化を解明する。現地調査を行い、ストレス変化の社会的背景を明らかにする。本研究の打ち合わせ会合を行い、画像チームと年輪チームの情報交換を行う。領域全体会合に参加し、他課題との調整を行う。人—サンゴ礁共生・共存系の歴史的変遷をとりまとめ、ワークショップを開催する。
平成23年度:データベースをとりまとめ、必要に応じて現地補足調査を行う。ミクロ・マクロ両方のスケールでのストレス要因とその影響の評価を行う。モデルの検証と将来予測を行う。
平成24年度:人—サンゴ礁共生・共存系の長期的な連関を明らかにし、ストレスの影響評価と負荷低減値に関して具体的な指針を与える。領域全体として、人—サンゴ礁の共生・共存に関する未来戦略をとりまとめ、ワークショップ等を通じ国内外に公開する。
今年度の研究概要
(1)サンゴ礁の変化と土地利用変化との対応の検討
石垣島において、1945年から現在まで、空中写真と衛星データを用いてサンゴ礁の変化を解析する。これまで、C01は白保サンゴ礁の測線調査を継続しており、そのデータを検証データとして用いる。こうしたサンゴ礁の変化と、土地利用の変化との対応を検討し、実海域における陸域からのストレスの変化とサンゴ礁の変化の関係を明らかにする。
(2)長尺コアの取得と分析、土地利用変化との対応の検討
現在取得できているサンゴコアは、1994年から現在までの環境変動が解析できるものである。これまでに、年輪に含まれる蛍光と窒素同位体比が降水量・土地利用の変化を反映している可能性が示された。そのため、さらに長尺のコアを取得し、蛍光、同位体比とともに密度を測定し、過去100年間における環境変動とサンゴの成長(骨格密度)との対応を検討し、実海域における陸域からのストレスの変化とサンゴの成長の変化の関係を明らかにする。
外部との連携
全体代表:東大
連携先:国士舘大、北海道大、産総研、東大海洋研
- 関連する研究課題
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