ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

農林畜産業に由来する温室効果ガス排出量とその削減ポテンシャルの将来推計(平成 23年度)
GHG emissions and mitigation potentials in Agriculture and Forestry

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1113CD014
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
農業,温室効果ガス,緩和策,森林
キーワード(英語)
Agriculture, Greenhouse gas, Mitigation measures, Forestry

研究概要

本研究では、アジアに重点を置く世界35地域(アジア12カ国+その他23カ国・地域)を対象に、2005〜2050年における農林畜産業に由来するGHG排出量とGHG削減対策の導入による削減ポテンシャルの将来推計をすることを目的とする。その際、特に以下の4点に着目する。(1)食料及びエネルギー作物の生産に由来するGHG排出量の変化、(2)木材生産に伴うGHG排出量の変化、(3)エネルギー作物から製造されるバイオ燃料の導入によるGHG削減ポテンシャル、(4)その他農林畜産業におけるGHG削減ポテンシャル。以上から、2050年までに世界の全GHG排出量半減に向け、有用な科学的知見を提供する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:

全体計画

(1年目)
【前半】現在の世界食料需給モデルを国際農畜産物需給モデルに改良
・エネルギー作物の需要モデルに関連する先行研究を熟読し、モデル構造を決定する。
・データの収集、整備を行う。
・得られたデータを用いて、モデルを推定する。
・博士課程在籍時の研究で導かれた研究成果に基づき、国際学会で発表、国際雑誌へ投稿する。
【後半】エネルギー作物由来のバイオ燃料の導入によるGHG削減ポテンシャルの推計
・推定されたモデルを世界食料需給モデルに組み込み、国際農畜産物需給モデルとする。
・国際農畜産物需給モデルを用いて、農畜産物の将来推計を行う。
・他の研究と比較し、モデルの妥当性を検討・モデルの改良を繰り返す。
・エネルギー作物の需要量の変化とその食料生産への影響を明らかにする。
・エネルギー作物由来のバイオ燃料の導入によるGHG削減ポテンシャルを推計する。

(2年目)
【前半】世界木材需給モデルの構築
・先行モデルのレビューを熟読し、モデル構造を決定。
・データの収集、整備を行う。
・得られたデータを用いて、モデルを推定する。
【後半】既存GHG推計モデルに、林業部門の推計モジュールを追加する
・新たに推定された需給モデルと弾性値等のパラメータを木材需給モデルに組み込み、モデルの改良を行う。
・他の研究と比較し、モデルの妥当性を検討・モデルの改良を繰り返す。
・モデルを用いて木材需給量の将来推計を行い、世界の木材市場について長期見通しを得る。
・得られた研究成果を取りまとめ、国際会議等で発表し、国際雑誌に投稿する。

(3年目)
【前半】農畜産業・林業・森林管理におけるGHG削減効果の推計
・削減技術の詳細情報の収集・データベースの更新
・現在のGHG推計モデルに、林業部門の推計モジュールを追加
・GHG排出量と削減ポテンシャルの将来推計
【後半】農林畜産業におけるGHG削減対策の費用とその効果の総合的な評価・検討
・以上の結果を総合して、将来の対策実施による効果を定量的に評価・分析し、優先的に導入すべき対策、重点地域や排出源の特定化を行う。
・研究成果を取りまとめ、国際会議等で発表し、国際雑誌に投稿する。

今年度の研究概要

3年間の研究課題「農林畜産業に由来する温室効果ガス排出量とその削減ポテンシャルの将来推計(JSPS研究課題)」において、基礎知識の獲得、データの収集・整備、モデルの構築を行う。

課題代表者

長谷川 知子