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地球環境観測データとモデル統合化による炭素循環変動把握のための研究ロードマップ策定(平成 24年度)
Drawing a research road map toward understanding carbon cycle changes by integrating global environment observational data and models

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) RFa-1202
研究課題コード
1212BA001
開始/終了年度
2012~2012年
キーワード(日本語)
炭素循環
キーワード(英語)
carbon cycle

研究概要

 地球温暖化問題への対応として、実際の地球温暖化に伴う気候変動とその影響を、実観測データをもとにして評価することが重要であり、特に地球温暖化の進行にとって重要な地球上の炭素循環の実態把握とその変動の検出、気候変化のフィードバック効果の有効な評価のための観測・解析システムの確立を図ることが必要とされている。このためには、GOSAT(後継機を含む)を始めとする種々の地球環境観測衛星のデータ、航空機観測データ並びに地上観測ネットワークのデータなど、種々のデータを統合的に評価し、また大気輸送モデルや炭素循環モデル等の数値モデルを活用することが必須である。現在、炭素循環変動の把握と影響評価研究においては、国内の各研究機関において多様な研究の芽が生まれつつあることから、これらを十分に伸ばすことに特に留意した我が国全体としての研究戦略を策定することが、喫緊の課題である。
 そこで本研究では、地球温暖化研究に実績のある国立環境研究所の研究者が中心となり、所内外の関連各分野の研究者の協力を得て、上述の研究戦略の策定を行うことを目的としている。本研究は、今後進めるべき体系的・組織的な研究推進の見取り図を描くものであり、我が国の炭素循環研究コミュニティの一層の連携強化による研究成果の創出を目指すものである。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

年度中に3回の検討会議を開催し、以下の(1)〜(3)に相当する3段階の方法で、問題点の整理と今後実施すべき研究テーマの提案・整理、および研究戦略の策定(研究インフラの整備を含む)を行い、報告書に取りまとめる。

(1)現在までに確立している炭素循環変動の評価手法およびその結果を用いて、地球温暖化に伴う炭素循環の変動を把握するに当たって重要と考えられる対象領域および指標の特定を行う。特に、炭素循環に関して気候変動の正のフィードバックが起こることが予想される対象領域と指標の候補を特定し、その地域を監視する観測システムおよび評価システムを確立するための研究戦略を策定する。

(2)GOSAT をはじめとする衛星データ、航空機並びに地上ステーションでの大気中二酸化炭素濃度観測データ、地上における二酸化炭素収支観測データなどをできる限り短い時間に統合的に集め、それらを数値計算モデル(3次元炭素循環モデル、陸面・海面の炭素収支モデルなど)に取り込み、モデルのパラメータを効率的に最適化する手法を開発する上で解決すべき問題点を網羅し、戦略的に研究を進めるためのロードマップを策定する。

(3)上記(1)と(2)で開発を想定する次世代の炭素循環変動評価手法を用い、全球、アジア太平洋地域、並びに(1)で策定する対象領域をターゲットとして、現在起きている炭素循環の変動をできる限り高い確度で推定すると同時に、気候変動が炭素循環に与える影響を高い時空間分解能で評価するための研究課題を策定する。特に、気候変動に対して正のフィードバックが起こる可能性のある対象領域については、その地域を監視する観測システムおよび評価システムを確立するための具体的なロードマップを提案する。

今年度の研究概要

年度中に3回の検討会議を開催し、問題点の整理と今後実施すべき研究テーマの提案・整理、および研究戦略の策定(研究インフラの整備を含む)を行い、報告書に取りまとめる。

外部との連携

検討委員会委員として、大学等外部機関の研究者の参画を得て実施する。

課題代表者

笹野 泰弘

担当者