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北極域における温室効果気体の循環とその気候応答の解明(平成 24年度)
Studies on greenhouse gas cycles in the Arctic and their responses to climate change

予算区分
MA 委託請負
研究課題コード
1115MA003
開始/終了年度
2011~2015年
キーワード(日本語)
温室効果気体,大気輸送モデル,インバースモデル
キーワード(英語)
GREENHOUSE GASES, ATMOSPHERIC TRANSPORT MODEL, INVERSE MODEL

研究概要

北半球高緯度域における大気中の二酸化炭素やメタン、一酸化二窒素などの温室効果気体やそれに関連する酸素などの濃度および同位体の分布や変動を、地上基地、航空機、船舶などを用いた総合的な大気観測から詳細を明らかにする。温室効果気体および関連物質の変動には北極海も重要な役割を果たしていると考えられているが、その実態はほとんど解明されていない。そのため、海洋観測を実施し、さらに大気輸送モデルを用いて本研究から得られた温室効果気体の濃度・同位体データおよび全球観測データを解析し、北極域における温室効果気体の放出源・吸収源分布とその変動を定量化する研究を進める。さらに、陸域生態系モデルや海洋物質循環モデルと高解像度大気輸送モデルを結合し、観測された濃度・同位体の年々変動の再現実験を行うことによって、北極域における温室効果気体循環プロセスの評価と最適化を行い、気候応答について検討する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:

全体計画

本研究では、北半球高緯度域での大気の総合的観測を行うとともに、北極域を中心とする海洋の観測を実施、温室効果気体やそれに関連するCO2等の濃度および同位体の分布や季節変動の実態を明らかにする。本研究で得られた観測データに加え、他の研究機関による観測データも活用し、3次元大気科学輸送モデルを用いた温室効果気体の放出・吸収および変動の解析を行い、北極域における温室効果気体の放出源や吸収源を高精度で定量化する。また、海洋物質循環モデルおよび陸域生態系モデルの検証と高度化を実現し、温室効果気体循環の支配プロセス・メカニズムおよびその気候応答を解明する。特に、陸域植生や海洋からの温室効果気体フラックス変動のカギを握る各プロセスの気候応答に焦点を当てて解析を進め、今後の温暖化によって北半球高緯度の放出源・吸収源がどのように変化するかといった点について知見を得る。

今年度の研究概要

シベリアのタワーおよび航空機による観測値をインバースモデルにより解析を行う。
輸送モデルをベースとしたフラックスインバージョンのシステムの開発およびLSCE(在フランス)との共同研究としてPyvarフラックスの最適化を行う。

外部との連携

国立極地研究所、東北大学大学院、LSCE他
研究代表者: 青木周司、東北大学大学院理学研究科大気海洋変動観測研究センター・教授

備考

研究代表者:青木周司(東北大学大学院理学研究科 大気海洋変動観測研究センター)

課題代表者

Shamil Maksyutov