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熱帯ダム貯水池における底泥環境の生成メカニズムと栄養塩循環機能の解明(平成 25年度)
Genesis of sediments and their functions for nutrient cycling in the tropical dam reservoir

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1314CD002
開始/終了年度
2013~2014年
キーワード(日本語)
熱帯,底泥,貯水池,メコン
キーワード(英語)
tropical, sediment, reservoir, Mekong

研究概要

経済発展が急速に進むメコン流域では数多くの発電用ダム開発が計画されている。一方,熱帯に建設されるダム貯水池の底泥環境の生成メカニズムやその栄養塩循環能については不明な点が多い。また,ダム貯水池では,人為的に沿岸部が形成されるという大きな特徴を有するとともに,集水域内の過去の土地利用形態や主要流入支川の流況などが貯水池環境を大きく左右するなど,天然湖沼とは異なる特徴をもつ。そこで,本研究ではメコン流域を対象に,熱帯ダム貯水池における底泥環境の,1)生成・堆積プロセスの解明と,2)リンなどの栄養塩循環の反応場としての機能評価を行うことを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

地理・地形的に特徴の異なるタイ、ラオスの複数のダム貯水池を対象に,陸域から湖心までの土壌・底泥調査トランセクトを設定し、柱状試料(以後コア試料)の採取とその観察を行う。柱状試料はさらに深さ毎に、粒度分布,粘土鉱物組成、元素組成,鉄化合物の形態分析,有機物含量とその形態に関する分析を行う。底泥各種成分の地形連鎖上での連続的変化から起源や堆積プロセスを明らかにする。また、底泥中のリン酸の可給化におよぼす各種成分との関係性,熱帯ダム貯水池特有の特徴などについても明らかにする。

今年度の研究概要

初年度は主にタイ、ラオスの貯水池、比較対照の天然湖沼トンレサップ(カンボジア)について、陸域を含む底泥のトランセクト調査と試料採取を実施する。底泥、土壌試料については日本国内にて観察と分析を行う。分析は、底泥成分の生成・堆積プロセスの解明に関する項目を先行して実施する。特に、粒度分布、粘土鉱物組成など行う。粘土鉱物組成および他の鉱物組成の結果は、各支川や後背地に堆積する成分とも比較し、堆積土砂成分の起源推定を試みる。

外部との連携

共同研究者:Jutagate, Tuantong(Ubon Ratchathani University)

備考

戦略的環境アセスメント技術の開発と自然再生の評価に関する研究
地域環境研究分野における研究課題

関連する研究課題

課題代表者

村田 智吉

  • 地域環境保全領域
    土壌環境研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (農学)
  • 農学,地学
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担当者