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室内残留性化学物質の探索と影響評価 - コンパニオンアニマルを指標動物として -(平成 25年度)
Searching and risk assessment for indoor persistent chemicals -Use of companion animals as the indicators-

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1315CD011
開始/終了年度
2013~2015年
キーワード(日本語)
残留性化学物質,室内汚染,ペット
キーワード(英語)
Persistent compound, Indoor pollution, Companion animal

研究概要

本研究「室内残留性化学物質の探索と影響評価−コンパニオンアニマルを指標動物として−」の全体構想は、家庭用品に使用されている難分解性の化学物質、とくに近年国際社会で大きな関心を集めているPOPs 候補物質や生活関連物質(PPCPs)、そしてレアメタルの室内残留性を明らかにするとともに、コンパニオンアニマルを指標動物として、室内動物への曝露実態と疾病との関連性を評価することにある。またバイオアッセイ・機器分析手法を用いて、検出された化学物質によるホルモン活性の有無を検証することに加え、動物組織に残留する未知の内分泌撹乱化学物質の探索・同定を目指す。本研究の遂行は、環境省が2011 年から実施している「エコチル調査」に対し、追加すべき新規室内化学物質を提示することが期待できる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究では、(1)試料採取と疾病の診断、(2)分析法開発、(3)試料の化学分析、(4)疾病との関連性解析、(5)バイオアッセイによる影響評価、そして(6)血中に残留する内分泌撹乱物質の探索・同定を順次遂行することによって目的を達成する。化学物質(POPs 候補物質、PPCPs、レアメタル)の曝露源となる室内ダストおよびペットフードと、コンパニオンアニマルの血液から検出される物質プロファイルを解析・比較することで、室内残留性化学物質の曝露実態を解明する。核内受容体(AhR, ER, AR, TR, GR, PR, PPARγ2)を組み込んだレポーター遺伝子アッセイを用いて、血液から検出頻度および濃度が高い化学物質の内分泌撹乱作用を評価するとともに、抽出物で活性が確認されるフラクションを分画・濃縮し、機器分析手法(LC-ToF-MS)により未知の活性化物質の探索・同定を試みる。

<平成25年度>
初年度は、試料採取と化学分析が主要課題となる。POPs 候補物質およびレアメタルの分析法は、対象とするダスト、ペットフード、毛、および血液試料ですでに確立されているが、一部の難燃剤とPPCPs については抽出・前処理工程の開発が必要となる。そのため試料の分析は26年度にかけて実施し、室内における環境・生物残留性の化学物質を選定する。

<平成26年度以降>
二年次度以降は、引き続き化学分析をおこなうことに加え、in vitro バイオアッセイ法を用いて検出頻度の高い室内残留性化学物質の内分泌撹乱作用を評価する。また、試料抽出物に含まれる未知の活性化物質を検索し、先端分析機器を駆使し同定を試みる。

今年度の研究概要

平成25年度は、アリル炭化水素受容体(AhR)、エストロゲン受容体(ERa)、アンドロゲン受容体(AR)、甲状腺ホルモン受容体(TR)、グルココルチコイド受容体(GR)、プロゲステロン受容体(PR)、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPARg2)等の各種核内受容体のアゴニストおよびアンタゴニストを検出するレポーター遺伝子アッセイ法の妥当性評価と、コンパニオンアニマルの血液中のアゴニストおよびアンタゴニストを効率的に把握するプロファイリング法を開発する。

外部との連携

代表機関:鳥取大学

課題代表者

鈴木 剛

  • 資源循環領域
    資源循環基盤技術研究室
  • 主幹研究員
  • 農学博士
  • 生化学,化学
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