ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

ヒ素による後発的発癌増加に関するFosファミリー遺伝子発現調節メカニズムの解析(平成 25年度)
Studies on the regulation of Fos family gene expression involved in late-onset increases of tumor induced by arsenic

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1315CD014
開始/終了年度
2013~2015年
キーワード(日本語)
ヒ素,エピジェネティクス,Fosb
キーワード(英語)
arsenic, epigenetics, Fosb

研究概要

胎児期や乳幼児期のヒ素曝露により成人後に肝臓癌などが発症する割合が増加することが疫学的に明らかになっている。しかし、ヒ素による後発的な発癌増加メカニズムは十分に解明されていない。我々は、胎児期無機ヒ素曝露によってC3Hマウス74週令の雄の仔の肝臓で腫瘍が増加し、その腫瘍では対照群の肝臓腫瘍と比較して、癌遺伝子Fosファミリーの1つであるFosb遺伝子の発現が大きく増加することを見出している。本研究では、マウスとヒトの肝臓癌細胞株を用い、ヒ素によるエピジェネティック作用に着目したFosb遺伝子発現調節メカニズムの解明を中心に、ヒ素による後発的発癌に関するメカニズムの一端を明らかにすることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

マウスとヒトの肝臓癌細胞株において、Fosb遺伝子発現が大きく増加するヒ素曝露条件を決定する。次に、プロモーター領域及び遺伝子領域内部のDNAメチル化など、Fosb遺伝子発現に関与するエピジェネティック作用、及びそのエピジェネティクス変化を誘導する因子について検討する。ヒ素によるFosb遺伝子の発現調節メカニズムの解明を通じて、ヒ素による発癌経路及びターゲット因子を明らかにし、その機序の種差についても知見を得る。

今年度の研究概要

Hepa1c1c7とHepG2において、Fosb遺伝子発現が大きく増加するヒ素曝露条件を決定する。次に、プロモーター領域及び遺伝子領域内部のDNAメチル化など、Fosb遺伝子発現に関与するエピジェネティック作用について検討する。

課題代表者

鈴木 武博

  • 環境リスク・健康領域
    病態分子解析研究室
  • 主任研究員
  • 工学博士
  • 生物学,生化学
portrait