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平成25年度化学物質の内分泌かく乱作用に関する試験法開発に係る業務(平成 25年度)
Development of test methods for endocrine disrupting chemicals in 2013

予算区分
BY 環境-委託請負
研究課題コード
1313BY014
開始/終了年度
2013~2013年
キーワード(日本語)
内分泌かく乱物質,メダカ,ミジンコ,多世代試験,OECDテストガイドライン
キーワード(英語)
Endocrine disrupting chemicals, Medaka, Daphnids, Multi-generation test, OECD Test guideline

研究概要

環境省では、平成22年7月に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応— EXTEND2010 —」を取りまとめ、化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じ管理していくことを目標として、評価手法の確立と評価の実施を行っている。このため、まだ十分確立されていない内分泌かく乱化学物質の試験法について、引き続き開発を進める必要があると共に、OECD 等で進められている試験法確立に積極的に協力し、国際的な貢献を行う必要がある。これらを踏まえて、主に魚類、両生類及び無脊椎動物を対象とした各種試験の実施や情報収集、必要な検討を通して、試験法の確立及び影響を評価するため必要な基礎的知見の集積を行い、試験の開発・適正化に向けた取組みを推進する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

魚類試験法開発では、魚類短期間繁殖試験(TG229)について、メダカを試験魚とした場合の試験条件の検証を行う。また、TG229では検出が難しい抗アンドロゲン作用に関する試験法として、魚類性発達試験(TG234)が適用可能か検討を行う。さらに、米国環境庁と共同で開発を進めている多世代試験について、試験条件の妥当性について検証を行う。無脊椎動物試験法開発では、オオミジンコ繁殖試験(TG211 アネックス7)の課題を整理し、幼若ホルモン様化学物質に対するスクリーニング手法の開発に向けた取組みを実施する。また、ミジンコを用いた多世代試験の開発に向けた取組みを実施し、試験法の妥当性について検証作業を進める。

今年度の研究概要

(1) メダカ短期繁殖試験の適正化のための試験の実施及び検討
メダカ短期繁殖試験の適正化に向けて、OECDで承認されたTG229改定案に従い、陽性物質および陰性物質(各1物質程度)を用いた検証試験を実施する。
(2) メダカを用いる抗アンドロゲン作用に関する試験法の検討
魚類性発達試験(OECD TG234)の抗アンドロゲン作用への適用性について、陽性物質1物質を用いて検証試験を行う。
(3) メダカ多世代試験のプロトコール(案)の作成
魚類の繁殖・生殖(生産性)への影響を評価する試験法(メダカ多世代試験)について、これまで試験データを整理し、試験生物数、エンドポイント及び統計解析等の観点から改訂プロトコールの妥当性について検討する。
(4) 無脊椎動物スクリーニング試験法の開発
幼若ホルモン様化学物質のスクリーニング試験法を開発するため、ミジンコを試験生物として、性比に着目した短期間の化学物質ばく露試験のプロトコール案を作成する。今年度は確定した試験法で得られたデータの解析手法や、今後化学物質のスクリーニングを行っていくうえでの方針について検討を行う。
(5) 無脊椎動物を用いた多世代試験の開発
ミジンコにおける化学物質(幼若ホルモン様物質等)の経世代影響を評価するための試験法のプロトコール案を作成した上で、ばく露試験を実施し、プロトコール案の検証を行う。今年度はDaphnia magnaを中心に、これまでCeriodaphnia dubiaを用いた多世代試験において得られた知見を基に、試験を実施する。
(6) 両生類試験法開発について
パーシャルライフサイクル試験法の開発に向けて、引き続き試験条件の妥当性についての検討を行う。

外部との連携

共同研究機関:いであ(株)、US EPA(日米共同研究)、Cefas etc, UK(日英共同研究)

課題代表者

鑪迫 典久

担当者

  • 渡部 春奈環境リスク・健康領域
  • 田村 生弥
  • 高信 ひとみ