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小児・次世代環境保健研究プログラム(平成 26年度)
Research Program on Environmental Health for Children and Future Generations

研究課題コード
1115SP080
開始/終了年度
2011~2015年
キーワード(日本語)
小児保健,疫学,毒性学
キーワード(英語)
child health, epidemiology, toxicology

研究概要

エコチル調査から得られると考えられる環境因子と健康との関連性に関する多くの知見に加えて、健康影響メカニズムを解明することにより疫学知見に生物学的妥当性を与え、また莫大な数に上る環境汚染物質や健康影響の中から疫学研究で検討すべき対象物質や影響指標を提案するなど、これを相補・補完する実験的研究をあわせて推進することも必須となっている。そのため、環境汚染物質をはじめとする環境因子が小児・次世代に及ぼす影響を、疫学的、実験的研究の双方向から総合的に検討、評価、解明することをめざす。

今年度の研究概要

プロジェクト1:「環境汚染物質曝露による健康影響評価に係る疫学調査手法の高度化に関わる研究」
(1)特定の化学物質を取り上げて、その物質の曝露経路別の曝露量のモニタリンクデータを収集するとともに、モデルによる推計手法を検討して、モニタリングとモデル推計との比較検討を行う。曝露経路として重要な食事経由の曝露を評価するために必要な乳幼児を対象とした食事調査の妥当性を検証するための予備調査を継続して実施して、データを収集する。
 また、ヒト試料中化学物質の多成分一斉分析法についてさらに検討を進め、疫学研究に適用可能な総合的な曝露評価システムの確立を目指す。さらに、ライフコース疫学で提案されているいくつかの統計解析モデルについて検討を加え、エコチル調査で利用可能な統計解析モデルの整備を行う。

プロジェクト2「環境汚染物質曝露による小児・次世代への健康影響の機構解明と評価システムの構築に関する研究」
マウス胎児期無機ヒ素曝露による肝臓腫瘍増加のメカニズムに関して、胎児肝臓や腫瘍組織の遺伝子発現解析から影響経路を探索し、またエピジェネティクスの関与を検討する。胎児期無機ヒ素曝露が学習機能、摂食/全身代謝に及ぼす影響をマウスにおいて検討し、初代培養神経細胞・神経膠細胞を用いて作用機構の解明を目指す。無機ヒ素の免疫系への影響については、遺伝子変異とエピジェネティクスの両面から検討する。小児を想定した免疫疾患モデル(アレルギー性喘息モデルなど)において、フタル酸ジイソノニルなどの免疫系、脳神経系への影響評価、および両者の関連性についても検討を行う。また、ベンゾ[a]ピレンの免疫系、脳神経系への影響について、乳児期曝露を中心に、継世代影響に関しても検討を開始する。

課題代表者

新田 裕史