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同位体分析法から見た墳墓出土朱の産地変遷-大和政権による朱の政治的利用-(平成 26年度)
Isotopic Analyses for Identifying variations in sources of vermilion in the burial mounds in Japan

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1417CD002
開始/終了年度
2014~2017年
キーワード(日本語)
水銀同位体,辰砂,遺跡朱
キーワード(英語)
Mercury Isotope, Cinnabar, Vermilion

研究概要

水銀の自然起源である朱(硫化水銀)を構成する硫黄と水銀、さらに朱に包有される鉛の同位体分析値を組み合わせることで、遺跡から出土する少量の朱の産地推定を行い、また産地の異なる朱を混合した状態から産地を特定する方法を確立する。本法を用いて弥生時代後期から古墳時代前期の首長墓、陵墓を代表とする古墳時代中期の大型古墳に至るまでの墳墓から出土した朱の産地を明らかにする。さらに、弥生時代から古墳時代を研究対象にする考古学者や陵墓を管轄する考古学者が参加して、威信物外交手段としての朱の流通より大和政権の誕生と朱の産地の変遷をまとめる。本研究 は、分析化学と鉱物学、考古学の学際研究に基づいた総合的研究である。加えて、世界の古代遺跡で使用された朱の産地推定方法として、本法を世界で用いられる標準法に確立する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

研究期間内に、1)硫黄同位体分析に関して、微量分析方法を新たに開発する。 2)各地の遺跡朱・辰砂鉱石を収集する。
3)各種の方法で硫黄・水銀・鉛の 3 元素同位体分析を行う。 4)硫黄同位体分析で中国産とも日本産とも判断できない遺跡朱を水銀同位体と鉛同位体分析し、 産地の異なる朱が混合されているかどうかを調べる。 5)考古学関係者とともに測定値の背景を考察し、集大成をはかる。

今年度の研究概要

今年度は人間が利用した朱とその起源と成り得る水銀鉱石の収集を実施する。そして加熱酸分解法と高精度同位体比分析法を用いて、試料中の水銀同位体比を計測する。

外部との連携

近畿大学 (代表者) ・理化学研究所・九州国立博物館・宮内庁・桜井市立纏向学研究センター

課題代表者

武内 章記

  • 環境リスク・健康領域
    リスク管理戦略研究室
  • 主任研究員
  • Ph.D
  • 地学,化学
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