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廃棄物由来レアメタル等金属類の土壌圏への拡散機構と微生物生態系影響の解明(平成 27年度)
Studies on diffusion mechanisms of several raremetal elements dissolved from wastes into soil environment and their impact on microbial ecosystems

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1316CD002
開始/終了年度
2013~2016年
キーワード(日本語)
レアメタル,廃家電製品,溶出試験,土壌汚染,微生物生態系影響
キーワード(英語)
raremetals, consumer electronics waste, leachate test, soil pollution, impact on microbial ecosystem

研究概要

汎用電子機器の使用増加に伴い、廃棄機器の不法投棄等が顕在化してきている。これらの機器には、どうやニッケル等の他に、電子部品や接合合金に多種のレアメタルが使用されており、これらの金属元素による土壌圏環境の汚染が懸念される。本課題では、これらの電子機器から溶出するレアメタル等について、土壌への拡散量と化学形態を明らかにし、土壌中での移動性や土壌圏微生物生態系への影響を検討する。そして、体制や蓄積性を有する土壌微生物を探索することで、汎用電子機器類の廃棄物に由来する汚染のみならず、広くレアメタルによる土壌圏汚染への浄化対策の基礎的な知見を収集することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

初年度は、廃家電製品中の電子基板や液晶パネルなどから溶出するレアメタル等金属元素の種類と濃度を明らかにする。通常の浸積溶出試験と土壌カラムを用いた降雨曝露試験を行うが、純水だけでなく高塩分濃度での試験を行うなど、様々な環境因子下での放出リスクを明らかにする。
 次年度以降には、溶出元素に関するこれらの基礎データを基に、土壌圏に生存する微生物群への曝露試験を行う。金属元素の曝露により、微生物生態系がどのように変化するのかを遺伝しレベルで解析し、レアメタル等金属元素に影響を受けやすい微生物の探索、さらに耐性や蓄積能を有する微生物を探索する。これらの結果から、廃棄物由来のレアメタル等金属元素による土壌圏汚染の実態解明を行うと共に、土壌圏に放出されたレアメタル等金属元素による微量汚染の検知や、その回収・浄化法の開発の可能性を検討する。

今年度の研究概要

電子基板、液晶パネル等に含まれるレアメタル等金属元素の実環境(降雨暴露や土壌埋設)を想定した溶出試験を引き続き行い、各種元素の溶出に寄与する環境要因に関する知見を入手する。また、Cu、Ni、Zn、Pb、Sb等の共存環境での溶解性や沈殿生成特性などの知見収集もめざす。溶出試験土壌試料を用いた遺伝子解析により、微生物群集構造の変遷を解析し、溶出した金属が土壌微生物生態系に及ぼす影響を評価する。

外部との連携

研究代表者: 稲葉一穂 (麻布大学 生命・環境科学部 教授)、麻布大学、国立水俣病総合研究センターとの共同研究

関連する研究課題
  • 0 : 地域環境研究分野における研究課題

課題代表者

村田 智吉

  • 地域環境保全領域
    土壌環境研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (農学)
  • 農学,地学
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担当者