ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

統合的観測解析システムの構築による全球・アジア太平洋の炭素循環の変化の早期検出(平成 27年度)
Integrated observation and analysis system for early detection of carbon cycle change globally and in Asia-Pacific region

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 2-1401
研究課題コード
1416BA004
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
炭素循環,統合解析,インバージョンモデル,変化検出,アジア太平洋
キーワード(英語)
carbon cycle, integration analysis, inversion model, change detection, Asia-Pacific

研究概要

GOSATや航空機を利用したCO2の地球規模での観測、アジア太平洋での炭素収支観測において我が国が持つ研究基盤の優位性を活かし、観測データのもつ情報を最大限に活かす統合的観測解析システムを構築する。そのための観測データの整備、解析システムの開発改良、炭素収支評価の高精度化を行う。
 このため、第一に、多様で大量の観測データを統合し、最大限利用できる解析システムの設計開発を行う。特に、これまで複数の研究グループが開発改良してきた複数の大気輸送モデル、インバージョン・データ同化手法の新たな統合解析システムに対する適用可能性を比較検討し、温室効果ガス収支の高精度評価、各種パラメータの自動設定が可能でかつ長期安定運用できるシステムとして最適な組み合わせを策定する。第二に、アジア太平洋で特に有効なCONTRAILデータについて、データ整備を強化すると同時に、その時空間的な不均一性の影響を最小限にするためのデータ最適化手法の開発改良を行う。また、炭素収支評価において誤差要因となりうる都市域や成層圏データの影響評価や、各地域における観測データの時空間代表性の評価を行う。第三に、確立された統合的観測解析システムにより全球・アジア太平洋の炭素収支、特に国・地域別の炭素収支の評価を行う。その結果を統合された陸域観測データと経験モデル、プロセスモデル等に基づくボトムアップ法による結果と比較し不確実性の評価を行う。さらに、炭素循環のホットスポットの検出を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

 全球特にアジア太平洋で収集される衛星・航空機等による大気中CO2濃度観測データ、地表でのCO2フラックス観測データなどの多様で大量の温室効果ガス観測データの総合的な整備提供を行い、ぞの情報を最大限に活用するためのインバージョン・データ同化手法の適用性を評価する。アジア太平洋で炭素循環の変化が起こる可能性のある地域や要因について調査するため、既存のデータを用いて予備解析を行う。
 温室効果ガス関連の観測データの整備提供を進めるにあたり、アジア太平洋の炭素収支の高精度化に特に有効であるが解析システムへの融合に技術的課題のある高頻度航空機観測データについて、データを最適に入力するためのシステムを確立する。同時に、ホットスポット解析に必要となる特定地域のデータ融合手法の構築とボトムアップ手法に基づくホットスポット解析に着手する。
 観測データのもつ情報を最大限に活かし、各種パラメータの自動設定が可能で、かつ長期暗転運用の可能な統合的観測解析システムを構築する。このシステムによる算出結果、ならびにこれまでの研究で得られた各種解析結果をもとに、全球・アジア太平洋の国別・地域別の炭素収支の評価、炭素循環の変化の大きい地域の検出、将来大きな変化の起こる可能性のある地域(ホットスポット)の推定を行う。

今年度の研究概要

 各種観測データの整備提供を継続し、これを本研究課題終了後も長期安定に運用可能なシステムとして確立する。同時に、これらのデータを最適に活用するための統合的観測解析システムの設計、特にオペレーショナルな運用化に向けた必要課題の抽出を行う。
 本研究課題に最適の大気輸送モデルとデータ同化手法の組み合わせ、及びそれらと観測データの融合方法を確立する。続いて、ホットスポット解析に必要となる特定地域を対象とした高空間分解能評価のための融合手法の検討を開始する。
 前年度の評価実験の結果を解析し、アジア太平洋の炭素収支評価の精度向上に最適な航空機データの最適化手法・入力方法を確立し、航空機の入力データセットを整備する。一方、同化技術を用いたCO2解析手法の開発・改良を継続し、統合的解析システムのプロトタイプの手法を構築する。
 前年度の予備解析を継続し、複数のボトムアップ手法間の差異によって生じる炭素収支推定の不確実性の評価を行う。また、アジア太平洋において炭素収支の変化の大きい地域、将来大きな変化の起こる可能性のある地域について、例えば高緯度永久凍土地帯の吸排出量変化、中緯度国別排出量変化、低緯度森林・泥炭火災による排出量変化など、地域別に大きな変化の起こり得る候補を挙げて変化要因解明に着手する。

外部との連携

国立研究開発法人海洋研究開発機構、気象庁気象研究所

課題代表者

三枝 信子

  • 地球環境研究センター
  • 副センター長
  • 博士(理学)
  • 理学 ,地学,生物学
portrait

担当者